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「Scientistが読んでも、得るところが沢山あります」 2005-07-17現代の将棋は昔の将棋と違いデータベース化が進んでおり、パソコンで誰でもデータにアクセス出来ます。(→ 却って情報過多な位で、全ての情報を調べるのは時間的に不可能)「新手一生」でなく「新手一局」、どんな新アイディアもたちまち古くなる。そんな中で、如何に創造力を発揮し続け、最前線で活躍を続けることが出来るのか? このような話は、将棋の分野だけに限りません。現代の自然科学の研究でも、状況はまさに同じです。「将棋の研究」を「科学の研究」と置き換え、「将棋の対局相手」を「自然」と置き換えると、面白いことに研究者としてのあるべき心構えは将棋でも科学でも同じなのだ、と気付かされるのです。
例えば「対局相手にアイディアを引き出してもらう」という処を読んで、「科学とは自然と人間との協同作品である」(中谷宇吉郎氏)を思い出しました。対局(実験)する前に「こうなるのではないか?」と色々と考え尽くした積もりになっていても、いざ対局(実験)してみると、予想外のことが必ず起きます。そんな慣れていない状況になると失敗する確率も当然高まりますが、未知の事態に踏み込むのを恐れるのでなく、そこに挑戦する楽しみ(新発見の喜び、充実感)を持つことが本当に大事なのです。「現在のリスクを回避することは、未来のリスクを高めることになる」という氏の発言に、ドキッとさせられました。
この羽生氏の本を読むと、氏が将棋だけの勉強でなく、他の色んな分野に興味を持っていることに気付かされます。(「素人のように考え、玄人として実行する」の本を書かれた金出武雄先生の話まで出てくるのにはビックリしました) あらゆることに興味を持ち、自分なりの言葉で理解するという氏の姿から、「知識を知恵に」昇華させるご様子が窺えます。「大局観」を磨くとはこういうことなのだ、ということが氏の言葉の端々に現れています。他の分野の学徒も、そんな氏の姿勢から学ぶ処が多いと思います。「自分はこれからどうやって研究を進めて行けば良いのだろう?」と迷った時に、こういう本も読んでみては如何でしょう? 得る処があることは請け合いです。
「読みやすすぎて気味が悪かった」 2005-08-24将棋を指さない人がどう読み取るかは分からないが、すべての章において将棋以外のことと関連付けている箇所が少なくとも一箇所はあるため、決断の共通性を認識できるのではないだろうか。正直なところ、このような決断をせずに言葉を濁して困った顔をしている人達に突きつけたい本である。
一貫して感じられることは、決断をするのは自分であること、そのために自分をコントロールしなければならない、そして決断で自分を甘やかせば将来的にそれは自分への負担として返ってくるという著者の信念である。自分のために自分で考える、自分のために自分を戒める、このような背景が感じられ、とても感じの良い一冊である。
「プロの世界とは」 2005-07-18
「シンプル、かつ、重みのあるメッセージ」 2006-01-02
「「決断力」の内容は半分ぐらい。上達の方法論ととらえるべき」 2005-08-16