ユーザーレビュー一覧(全14件 平均:4.5)

「比喩の達人」 2008-08-28
レビュアー:馬場伸一(13人中11人が参考になったと回答)
野球は「間」のスポーツである。一球一球、ゲームが切れる。
このことは、「そのあいだに考えろ、備えろ」といっているのだ。(本書52ページ)
有名な「月見草」をはじめ、野村監督の発言には優れた比喩が多い。
肌合いは違うが、サッカーのオシム監督の発言もやはり巧みな比喩を駆使するところに特徴がある。
そして両監督とも、発言にマスコミが群がる。面白くて記事にしやすいからである。
上記引用のセリフも唸らせられる。
こういう独自の表現ができるから、伝える「ことば」に力が備わるのだろう。
ひたすら観察し、分析し、キレの良いことばでズバッと伝える。
だからこそ、「野村再生工場」と言われる成果が出るのだと思われる。
それにしても達意の文章である。
個人的には山崎のエピソードが楽しかった。

「毎回毎回同じ話がほとんどだが・・・」 2008-09-26
レビュアー:ヒュー(9人中8人が参考になったと回答)
野村氏の著書は毎回毎回話がほとんど同じである。8割は同じ話である。しかしながら、その同じ話が出るたびに、そうだった、そうだったと確認し、人身掌握の極意を確認するのである。今回も、うなづきっ放しであった。
来年も楽天を率いると聞いている。また2割の新ネタを織り交ぜて著作が増えることだろう。しかし、それでいいと思う。人を叱り、褒め、教えていくことは永遠のテーマである。

「人を見抜く達人・・・・だから不思議」 2008-09-11
レビュアー:至高の豚(4人中3人が参考になったと回答)
今までに読んだ教育・指導の関連本では、参考になるものも多かったが、一方、私は心の底では「人間は、そんなに単純じゃない。教育なんて簡単じゃないさ。」と感じていた。「実際問題として、会社の難しい人間関係の中で、多くの人間を個性に応じて教育していくなんてできないよ〜」というわけだ。しかし、この本では教育を受ける立場の人間が有名選手なので、こちらもある程度そのキャラがわかっており「この人はこういう性格なので、こういう指導をした。」といわれると、ついナルホドと納得しまう。なかなか、このような本には巡り合えないのかもしれない。
また、最終章は野村監督自身の悩みと成長の記録であり、自分の能力開発に悩み抜き、苦しみ抜き、耐え抜いた人間こそが、最も優れた後輩の指導者になれるのかと感動!感動!
それにしてもこれほどまでの「人を見抜く達人」がなぜあんな人と結婚を・・・・人間とはやはり不可思議なものだ。と思うのは、私だけではないだろう。

「永遠の野球道の求道者。だがWBC監督問題は残念。」 2008-11-03
レビュアー:ザク(4人中3人が参考になったと回答)
今現在、実践的野球論を語らせたら誰も野村楽天監督には適わないと思う。本書は大筋で走攻守すべて出来れば俺は何も言うことはない。でも、そんな選手は王、長嶋、イチローのように50年に一度出るか出ないかだ、でも一芸に秀でていればそれを伸ばし強敵なチームとも闘う術もあると今までの作品の補足が書いてあります。守備、走塁にスランプなし故に機動力野球は相手チームにプレッシャーを与えリズムを狂わせる。投手分担制で一人一殺で選手を生かす。マスコミを使ったオリックス時代のイチロー選手に対する心理戦。球界の宝である金本選手のチームの鑑としての存在感と中日の川上、日ハムのダルビッシュ有のエースの資格。でもやはり白眉は、適材適所の人材配置と才能を開花させる手腕、捕手の重要性と監督の育成の急務、メジャーからは野球論をもう吸収する必要なし等々素晴らしい内容です。只今回のWBC監督は自ら手を挙げて引き受けて欲しかった。

「オリンピック野球日本代表敗戦」 2008-08-24
レビュアー:ニック(4人中2人が参考になったと回答)
作品自体は目新しい記述はあまりない。山崎、磯部の両ベテランに期待しているという思いは、よくあらわれている。
新しい記述では、第四章の監督就任のいきさつは今までの著作にはないかと思う。田尾監督退任のいきさつは今まで氏に同情的だった多くの人にとって驚かれるかもしれない。
読後、オリンピック野球日本代表はメダルを獲得できなかった。この結果は野村監督がいうチームプレイ、チーム優先主義が徹底されていなかったことと、チームが仲良しクラブになっていたからではないだろうか。
“野村の考え”が万能ではないと思うが、参考にはなるだろう。