
「3巻にして驚きの完結。」 2008-07-09
レビュアー:綾宮琴葉(5人中1人が参考になったと回答)
もう完結?!と、短くて驚きました。もう少し読みたかった。
今作は“願い”をテーマに最後まで書き綴ったシナリオもさることながら、とても悲愴的であり情熱的であり人間くさいというか、ともかく難しい作品になった印象があります。
シリーズの締めとしては十分な内容の一冊だと想います。作者曰く「一応」シリーズ完結だそうです。続編は”今”は考えてないとか(笑)
内容は貧サイドとレレナと朧サイドの決着。レレナを追い詰めれば自分をすがってくると貧(雪村舞)は考え、ツキシマをレレナにけしかけた・・・。
「『ゲーム』をしようじゃないか。」
レレナの前に突然現れたツキシマは言った。
「それで決着を付けよう。」(レレナ君を傷付けないために・・・。)
貧によって創造され逆らえないツキシマは、レレナを守るために命令をゆがめて実行。レレナと朧に向かってそう提案した。
レレナと雪村舞と月島亮史。彼女たちは2年前仲間だった。二人が亡くなるまでは。
貧は雪村舞の死骸と一つとなり、それによって二人は歪んで蘇った。過去に引きずられつつも決着を付けなくては、今を生きるレレナは先を生きていくことができなかった。
サイドキャラクターたちもとても色々な物語があって、前作「吸血鬼のおしごと」のSP(短編集)のようにスピンオフ作品が欲しい所です。
青磁を時田の屋敷から託されて、立派な男子に育てると決めたたまの想い。
千霧の顎に隠された食べ物への執念と青磁に抱き始めた恋心。
レレナをはじめ、貧(舞)やツキシマの願いなど色々と考えたりもしましたが、予想よりもだいぶ綺麗な形で終わったのには驚かされました。しかしとても悲しいお話になってしまったと思います。
この完結の仕方は賛否両論になりそうですが、私はこの終わり方は必然といいますか、これしかなかったかと思います。多少無理やりではあったと思いますが・・・。
少しだけですが、ツキ(猫)が出てきたのは嬉しかったです。次回作楽しみにしています。