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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)
武装解除  -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)
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講談社

¥ 777

新書

売上ランク:7458位

2004-12-18

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ユーザーレビュー一覧(全12件 平均:5.0)

評価5点「本当におすすめの一冊」 2006-12-11
レビュアー:たなからけむし(62人中55人が参考になったと回答)
筆者は自らのことを紛争屋と呼ぶ。彼の専門は復興期のDDR(Disarmament、Demobilization&Reintegration
:武装解除、動員解除、社会再統合)であり、本書の中では東ティモールやシエラレオネ、そしてアフガニスタンでの経験が語られる。

そこにあるのは圧倒的な現実である。

政治家にロビーをし、丸腰で正規軍や軍閥と向き合い、各勢力とのネゴシエーションを経てようやく始まるDDR。
復興というとバラ色なイメージがあるが、脆弱な治安の中で「武器を手放させる」ことがどれだけの緊張感を伴うかが、
本書を読むとひしひしと伝わってくる。

そして筆者は紛争に対する日本の姿勢にも警鐘を鳴らし続ける。
自衛隊の海外派兵の仕方を批判する。日本でしか通用しない神学論争はもうやめろと言う。
そして憲法前文と9条が主張する理想を変えなくとも、DDRの中にこそ日本にできることはあるのだと声高に主張する。

憲法9条改正論議で「普通の国」とか「目に見える国際協力を」とか言う自称現実的な人たちにぜひ読んでほしい。
同時に自衛隊をどう使うか考えてこなかった護憲派の方々にも、一読していただきたい。
もちろん国際協力の分野で知り合ったたくさんの友人たちにも。

本書の意見に賛成であれ反対であれ、こういう意見が今までの日本の議論の中になかったことはゆるぎない事実であろう。

最後に、昨年受講していた講義に筆者がゲストとしてやってきた。
そのときこんな質問をしてみた。
「なぜそれだけ仕事に命を懸けられるのか?」
返ってきた答えは
「妻に常にかっこいいと思われていたいから」
なるほど、そういう動機もありである。
むしろそれくらい「普通に」国際協力を仕事とできる世の中が来るべきなのだ。
評価5点「秀逸-今こそ」 2005-01-06
レビュアー:滝本太郎(44人中34人が参考になったと回答)
 これ、秀逸だと思う。

 というのは、今年は憲法9条の「改正」が正面から俎上にのぼると思われるところ、自衛隊はどうすべきか、そもそも日本は何をなすべきかを、具体的に考えさせてくれる本だから。

 何よりも、理屈が先に立っているのではなく、いわば走りながら考えてきた著者の経験と、それに裏打ちされた考えが示されているのだから。
 そっか、非武装の「軍事監視」と言うのは、そんなに大切なものだったんだ。

 そのうえで、考えに考えて憲法9条と前文の「改正」には反対する、という言葉は、実に重い。と思います。

 憲法「改正」反対の運動されてる人、どうぞ読んでくださいませ。
 9条改正に賛成の人、「普通の国になろう」と石原さんのように言っている人、どうぞ読んでくださいませ。

 ベストセラーになって欲しいなぁ。

神奈川-滝本太郎

評価5点「驚くべき内容」 2005-01-13
レビュアー:doku_f(25人中19人が参考になったと回答)
~最初の感想は日本人にもこんな人がいたんだ、といったところだろうか。
国際NGOとして多国籍軍や現地の警察を部下に従えて、闘争を繰り返す軍閥間の間に立って、あらゆる手段を駆使して武装解除を進めると言う著者の話は、まさに目から鱗が落ちる内容に満ちています。~~
佐藤大輔の小説などを読んでいると出てくるような人物が実在するとしたらこんな感じでは無いだろうか。

人道援助の現状、アメリカの外交政策、日本の自衛隊派遣の実態についても著者は歯に衣を着せず批判していますが、その視点はあくまでシビアな現実に根ざしたものであり、これらについてどんな立場にある人でも、必読の内容だと思います。~~
また、こうした話でありながらタフで行動的な著者の有様は読み終わっても不思議と爽快さが残るから不思議です。
国際社会を舞台にした小説・漫画が好きな人にとってもお勧めです。~

評価5点「皆の者、刀狩じゃ!」 2006-08-30
レビュアー:kagekiyo(22人中17人が参考になったと回答)
本書は国際公務員として、また外務省の委託を受けて、
紛争地域の武装解除=DDRや行政を担ってきた著者の手になる、
日本の国際貢献のあり方を正すレポートです。
一貫して戦火の傷跡の生々しい現場で働いてきた著者の目は、
限りなくリアルかつクールであり、
真の現実主義が垣間見られます。

本書の節々に現れる日本(人)のいわゆる「島国根性」に対する批判、
とりわけ自衛隊の運用や平和のためのインフラの不備に対するそれは、
厳しいものがあります。
また戦争利権、NGOのの抱えるジレンマや、
アメリカの暴走に伴って顕在化しつつある、
国際協力の持つ問題性に関する指摘は傾聴に値します。

そして最後に、著者は、
日本におけるジャーナリズムの堕落や軍事音痴ぶりにさじを投げ、
日本国憲法の改正に真っ向から反対します。

本書は、積極的な国際貢献に関心のある方、
なかでも、自ら国際公務員やNGOの一員として働きたいと願う、
志の高く勇気のある学生にぜひ読んで頂きたい逸品です。


評価5点「紛争地域の現実と復興オペレーション」 2006-11-09
レビュアー:tokyowintermute(18人中15人が参考になったと回答)
所謂、紛争地域における復興援助について関心がある方には必読書であろう。人道的援助や後方支援といった言葉が一人歩きする欺瞞について、現地で銃を取り上げさせる筆者が余すことなく語っている。紛争地域における武装解除というものが、明確なマネジメントのプロセスであり、柔軟性を持った「プロの仕事」であるという事実に気づかせてくれる書である。確かにマネジメント・スキルもないNGOが現場に行ったところで、それはマイナス要因だろう。