
「今こそ輝きを増す「真実」」 2006-08-02
レビュアー:絹のつぶやき(12人中11人が参考になったと回答)
国会を知り尽くした男、平野貞夫の「憂国」の書。「角栄」逮捕に至るドラマチックな展開と、政治家や官僚の息づかいまで聞こえるような筆力に圧倒される。伊藤昌哉の「自民党戦国史」以来だ。果たして「葬られた真実」が「角栄」の逮捕を左右したか、判断は読者に委ねるが、往時を知る者には驚愕の事実だろう。これを機に検察ファッショの道筋が確立され、現在の「国策捜査」に連なるのは指摘通りである。ポーカーフェースを通した堀田力の胸に、今よぎるものは何か。また、著者は近年、精力的に執筆を続けているが、彼を衝き動かすものは何か。私はどちらも知りたい。

「それぞれのロッキード国会」 2007-03-07
レビュアー:高津 瞬(4人中4人が参考になったと回答)
衆院議長秘書であった著者が当時書き残した膨大なメモをもとに、
30年後の今だから書ける新事実も含め、
ロッキード事件発生時の国会の舞台裏を書き上げた作品。
与野党の攻防と衆院議長の思惑のはざまで、
ロッキード事件に翻弄される国会を議長秘書の視点で克明に再検証している。
内容は三木首相、中曽根幹事長、前尾議長を中心とするもので、
田中角栄に関する記事はあまり多くない。
事件そのものより当時の国会に焦点を当てて書かれているが、
国会運営に携わる人間の考え方や、新事実の公表など、
興味深い内容が多く、読み応えのある一冊であった。