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官僚国家の崩壊
官僚国家の崩壊
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講談社

¥ 1,785

単行本

売上ランク:9667位

2008-05-27

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本書を含むリストマニアリスト

ユーザーレビュー一覧(全13件 平均:4.0)

評価5点「骨太の提言」 2008-05-29
レビュアー:不自由人(85人中74人が参考になったと回答)
この本を読んだあと、”生き残ることのできる生物の種族は最も優れた生態能力を持った種族ではなく環境の変化に対応できる種族である”というダーウィンの言葉をかみしめた。人口減少、経済のグローバル化、環境問題など変化への対応が出来なければ日本の未来は無い。中川氏は、霞ヶ関を中心に、政界、財界、学会、マスコミなど、あらゆる分野に巣食う身内共同体を優先する劣化したエリートの「ステルス複合体」が進化を阻む抵抗勢力だと指摘する。官僚による官邸支配やマスコミ誘導などの様子をリアリティ豊かに描き、既得権益を守るための仕組みをあぶりだしており読み応えがある。彼らの無責任な行動の陰で犠牲になったひめゆり部隊の悲劇を繰り返さないためにもこのノーリスク・ハイリターンの仕組みを潰し、官僚だけでなく、関与する全てのエリートの再生、奮起を迫る覚悟の提言であり、ステレオタイプの官僚バッシングとは次元が異なる。氏の歳出削減に対するこだわりも、ムダがステルス複合体の延命につながるとの深い認識があったことに気付く。ムダは少ないので、増税しかないと言い切る政治家はなんと答えるか興味深い。また、官僚支配に挑戦した竹中元大臣の裏チームの成功は、政策立案過程での「サブ・ロジ」に精通した民間出身のサムライとでも呼べる逸材と総理の意思の賜物で、巷言われる「官僚機構を政治家が上手く使いこなせば事足りる」との論調は現状を無視した暴論だということがわかる。だから、中川氏は公務員制度改革を推進していたのだと、最近の動きに納得した。ステルス複合体へ覚悟の戦いを挑んだ中川氏は、民の力を信じている。ただし、国民自身にも変革を求めているのではないか。特に損得勘定を越えた公共に奉仕する価値観への共感を。自ら自己犠牲をいとわぬ美しい覚悟の先には、まだ見ぬ将来世代の国民への思いがあるのだろう。この覚悟の提言に私も真剣向き合う必要があると感じた。
評価4点「リサーチが行き届いていて、提言が具体的」 2008-05-30
レビュアー:japanhandlers2005(60人中51人が参考になったと回答)
 前著『上げ潮の時代』は成長路線について書いていたが、今ひとつ問題の焦点が曖昧だったのだが、今回は「官僚制度」の実態を事細かに書いていると同時に、優秀なブレーンからのインプットや政治学者の理論などと思われる内容も組み合わさっており、かなり読ませる本になっている。

 この通りに政治家主導の制度の作り直しができれば、著者のいう「ステルス複合体」の影響力が削がれることだろう。

 具体的に一カ所だけ取り上げてみる。著者の中川は、省庁設置法の廃止と政令事項への移行を実現可能な政策として挙げている。

 この省庁設置法があるがゆえに、官僚の間だけではなく政治家の間にも縦割り意識ができているのではないか、と指摘されている。

 省庁設置法の中の「目的規定」の存在が、省令という法律ではない「法律」の根拠になってしまっているという指摘は具体的で分かりやすい。官僚は法律を拡大解釈する傾向があるわけだ。

 これまでの官僚制度を批判する本は、ここまで問題の核心を分かりやすく伝えていない。中川によれば、「政治家が官僚を上手く利用せよ」というのは問題の実態をしらない空論の類になるという。国家の制度設計の変更は細部をやみくもに行ってもダメで、核心をつきくずすことが重要だということだろう。中川は「省庁設置法」にあると指摘したわけだ。

 全体を読む限り、中川は制度設計のプロフェッショナルをブレーンに抱えているようだ。高橋洋一も含まれるだろう。単純な反官僚制度の本になって居らず、日本の政治の制度上の問題について知りたい人も参考にできる。

 ただ、いわゆる「黒社会の問題」や「マイノリティの既得権」の問題などについては触れていない。この辺は制度設計外の問題になるので触れようが無かったのだろうか。

 ただ、中川は単純小選挙区制を提唱しており、この路線は現在の連立政権の終わりを企図したものと見ることも出来る。

 そのほか、道州制の提唱者でもあり、20兆円の税源移譲を提唱するほか、ふるさと納税を基盤とした「寄付優遇税制」の拡充を提唱している。近年、政治家が多くの政策本を新書や単行本で出しているが、その中では、最も読ませる内容である。やはり、リサーチに係わったスタッフの数が多いのだろう。党のPTからのインプットも入っていると思う。読ませる本というのは、いろいろなソースの意見を巧く整理しているものであるからこれは驚くには当たらないが。
評価5点「党人派の本ですね」 2008-06-08
レビュアー:蒼碧(34人中29人が参考になったと回答)
いわゆる上げ潮派VS財政再建派といわれる自民党内の政策論争で、上げ潮派に立つ中川(秀)氏の政治に対する考え方を述べた本である。一方の財政再建派と言われる与謝野氏も「堂々たる政治」という本を出版しているので、読み比べると良いと思う。

週刊誌などで過去のスキャンダルに言及しているとの見出しが躍っていたが、そういうゴシップ的な考え方でこの本を手にとって見ると、政治に対する真摯な姿勢と非常に強い決意に予想外に圧倒される。いかにマスコミがワイドショー的に堕ちた偏見でこの本の出版を取り扱ったか、非常に残念だ。

それはさておき、この本を読んでいくと、いわゆる上げ潮派VS財政再建派という見方はちょっと違うのではないかという印象をもった。両方とも、国の財政についての問題意識は変わらないのではないか。強いて言うなら、党人派か官僚閥か、官僚を今も性善説で見ているか、どうかという点が、大きな違いだと思った。確かに優秀な官僚はあまた居るのだろうが、本書でみられる数々の「情報操作」の症例や、実際のマスコミ報道の踊り方などを見ると、「ステルス複合体」と形容される見えざる病巣に対して著者の心に思う問題意識は小さくないと感じる。

書かれている文章も非常に重厚で、これだけ霞ヶ関に嫌がられる内容でありながらの中身から推察すると、非常に優秀なスタッフや人的関係に恵まれているのではないかなと思う。本の厚さから、もちろん、官僚批判だけではなく、色々な政策や政治身上などについても書いてある。

残念なのは、これだけの固い決意を共有し、官僚達と喧々諤々の政策論争ができるような次を担う「政治家」が他にいるかどうかが疑問な点だ。中川氏は末筆に自分のことを「調整型」や「黒幕的」と書いてしまっており、実際、普通にテレビや雑誌などの色々な人の意見を見ていて思う印象もそうなってしまっているが、そういう変な印象を振り払って、この本に書かれている政策を、先頭を切って周りを巻き込んで、ぜひ推し進めて欲しい。

今の国会のワイドショー的な「政局」よりも、国民が求めるものは本書に書かれているような「政策」議論じゃないかなと思う。

何気なく読み始めても、最後まで読むと実はちょっと心にこみ上げてくるものがある。意外と良い本だ。
評価2点「わが自民党がつくりだした官僚国家の崩壊」 2008-06-24
レビュアー:ぴーたんa(31人中25人が参考になったと回答)
この本を読んでみました。

著者は、自民党森派の人物で小泉の流れを自認しているよう。

お書きになっていることは、納得がいくことが多かったです。
政治主導で決断を要する時代になってきているとか、そのためには、大臣を毎年変えるような人事は改めないといけないとか。

ちょっと前に元財務相の高橋洋一氏が「さらば財務省!」という本を書かれていて、本書の内容はそれに通じるところも多かったです。

しかし、私、どうしても違和感を禁じ得なかったことがあります。

「官僚国家の崩壊」というこのタイトルです。
まるで、自分とは無関係の誰かが、それをつくって、自分はそれと戦うヒーローを気取っているようだと感じました。

「官僚国家」は、一体誰がつくってきたのかと言えば、自民党政権そのものではないですか。
その自民党の幹事長まで務めた人物が、まるで他人事のように「官僚国家」などと言い放つ姿勢に対しては、激しい違和感、嫌悪感を感じざるを得ないです。
確かに、本書の中には、森派に官僚出身議員は少ないとか、自民党にも反省すべき点はあるとか、言い訳のような、反省のような記述もあります。

でも、官僚に口がないのを良いことに、「官僚=悪役、自民党=正義の味方」みたいなことを言われるのは、絶対おかしいと思うのです。

本書のタイトルに少し修飾語を付けていただくと納得できると思いました。

「わが自民党がつくりだした官僚国家の崩壊」と。
評価5点「デカイからってイイってワケじゃねー(あたり前か)」 2008-06-01
レビュアー:のらくろ大元帥(41人中12人が参考になったと回答)
 実は読んでいない、しかしあえて言いたいが故にコメントしたい、この本、6/1の
サンプロ放映中で紹介された、当然市中の大きな書店には置いてあるのは自明の理と思
い、H海道旭川市最大の本屋と豪語する‘宮脇’に行き購入しようとすると「当店では
取り扱っておりません」ときた・・・、党役職に就いていた頃よりもはるかに
時の人と化している人物の新刊を置いていないとは・・・、戦国時代、小田原北条氏・
氏政の頃、小田原は去年の暦を使っていると嘲笑されたとあるが、この本屋も同じ運命
をたどるだろう。