ユーザーレビュー一覧(全28件 平均:4.5)

「簡略的に」 2008-12-08
レビュアー:くろろ(2人中1人が参考になったと回答)
金融商品に投資するにあたって、すごく考えさせられると共に
自ら考えて投資しなければいけない、という至極あたりまえではあるが
トレンドに流されている、多数についていこうとしてしまう事を気づかされてくれる
良書に感じます。

「さすがソロス」 2008-12-21
レビュアー:さるごりら(3人中1人が参考になったと回答)
「再帰性」
この本のテーマである。一度で全部を理解するのは難しい。
ただそれだけに重みがあるのではないだろうか。
金融だけでなく哲学も含み、市場の根底にある金融工学理論を
真っ向から否定するこの理論。
考えさせられるところは多いと思います。
その他、バブルの解説、投資日記、政策への提言は非常に参考になった。
特に政策に関しては、グローバルの一線で活躍しているだけあって、
指摘が的確である。自分の資産を守るためのポジショントークの気もするが、
コントロール外とも思われる政策に果敢に提言するあたりがやはり大物。
投資論だけでなく、色々なことが学べると思います。

「3つの視点で興味深く読めた:今回の金融危機の特徴、理性の限界、複雑系(創発)」 2009-01-05
レビュアー:ゴルゴ十三(1人中1人が参考になったと回答)
私の興味はもっぱら自然科学ですが、本書は次の3つの視点で興味深く読めました。
1)今回の金融危機は単なる"住宅バブル崩壊"にあらず、「米国投資銀行」破綻寸前:旺盛な米国人消費により生じた経常収支の赤字は、(財政赤字を補う為に発行された)国公債により補填され、結果的に他国から資本が還流し、これで儲けてきた(「米国投資銀行」モデル)。こちらが「超バブル」状態で最早維持できないだろう。サブプライム問題の影響は軽微と思われていた「日本輸出株式会社」は「米国投資銀行」崩壊危機(米国消費減退)の影響を受け、失速の憂き目に遭った。(「金融大崩壊」(水野和夫)も参照しました)
2)"理性の限界"のkey words「再帰性(reflexivity)」「可謬性(fallibility)」:「再帰性」はシステム思考の自然な拡張でしょう。可謬性とは「いかなる知識も誤まっている可能性があること」ですが、この議論は「理性の限界―不可能性・不確定性・不完全性」の内容を想起させます。ソロス氏の主張は「Science is a self-correcting process」(Carl Sagan)とも通じます。第7章では著者本人が「再帰性」「可謬性」を実演。
3)バブル成長/崩壊の仕組み(正のfeedback)の議論は【複雑系】の"創発"の観点から自然に映ります。自然科学の方法論は社会科学では使えないとソロス氏は強調しますが、自然科学の対象でも数式化できてないモノが依然多くあり、「複雑系」はその代表例です。バブルの成長→崩壊のモデルは「歴史の方程式」でも語られていた「自己組織化臨界」とも通じる処あり。
人間の理性には限界があり、逆にそこに可能性が潜んでいるのだ、と楽観的に構えたい処です。「危機=危険+機会」と捉える心の余裕がないと、危険しか見えなくなってしまいがちですから…