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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)
墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)
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講談社

¥ 714

文庫

売上ランク:4768位

2001-04

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ユーザーレビュー一覧(全60件 平均:4.5)

評価5点「もう一つのジャンボ機物語」 2005-02-14
レビュアー:takatyantyan(54人中50人が参考になったと回答)
過去に多数の日航機墜落関係本を読んだが、本書は最も記憶に残っている書籍の一つだ。だからこそ随分昔に読んだ本にも関わらずレビューできてしまう。また、本書が報道で知り得た部分の裏舞台、つまり数ヶ月に渡る壮絶なまでの遺体確認作業という、前例の無い特殊状況を克明に描いた本という側面がこのような名本になったのだろう。加えて著者自身が客観的に忠実に記憶を記しているがために、その当時の嵐の様な状況、痛々しい人間模様までもが遮る物無く心に突き刺さるのだ。

事故当時は、真夏故に遺体の腐臭も相当で活字を追うだけでも地獄絵図の様相だ。まさか、こんな事態に遭遇するなんて看護婦の誰もが思っていなかったろう。医者を含めて彼らの大半が倒れてしまう。それが、悲惨な遺体を目のあたりにしてという理由でなく、あまりに大量の遺体を取り扱ったというのが理由だったと知りその壮絶さを見せつけられた。

遺体確認作業も終盤に差し掛かると、違った側面での困難を極める。つまり、もう部分遺体、臓器や組織しか残っていない部分からの身元判定という究極的困難を極める。その時点でにおいてもおそらく未確認の遺族達は、執念を以って行方を見守っていたに違いない。それは、早く私達の元に魂を返したい、一方では受け入れたくない、どこかで生きているとい一縷の望みを繋いでいたのかもしれない。いずれにしても、当事者で無くては理解できない慟哭であろう。

先日、スマトラ地震後ショベルカーで掘ったクレーターに大量の遺体が埋められたという報道を聞き、思わず「酷暑」「腐敗」「遺体確認」という言葉と共に、この本について不意に記憶が蘇った。
何としても亡骸を我が家につれて帰りたいという想いは、万国共通であろう。同時に、スマトラの遺族達が遺体さえも対面できない痛恨の想いも他人事とは思えなかった。

評価5点「「死」のリアリティー」 2004-09-25
レビュアー:ny(38人中36人が参考になったと回答)
 犯罪、事件、国家間の戦争など、報道されるニュースは、
いったいどうなってしまったんだと頭を抱えてしまうようなこと
が日常的になった。

 それぞれの背景は、それぞれ異なっており事情も違うだろうが、
ひとつ言えることは、「死」ということのリアリティーが失われ
てしまっていることだと思う。

 ニュースを伝える側もそれに向き合わないし、受け取る側も
知らず知らずの間に現実の他人の死を忌み嫌う、できれば見たく
ない、知りたくない感情があると思う。

 この本は、そういう現実に対するアンチテーゼだといえる。
もちろん著者の意図はそんなところにはないと思われるが、飛行機
の墜落事故のよる凄惨な現場の現実、その死と向き合う赤十字の看
護婦さん、医師、検視官や警察官の方々。極限状態で死と向き合う
真摯な態度を思い知るとき、少なくとも、戦争を始めよう、一般市
民が犠牲になる可能性のあるようなミサイル攻撃をしてやろうなどと
いう気は起こらないはずである。

評価4点「凄惨な出来事すぎて」 2005-08-12
レビュアー:pszacr1(36人中34人が参考になったと回答)
表題にひかれて、事故の詳細を知りたいと思い、購読しました。

当時のマスコミは、事件そのものと、事件の原因を追求、
救助シーンばかりに焦点があたり、現場でなにがおこっているのかは
一切わからない状態でした。
この本は、その「現場」を教えてくれる本です。

ただし、あまりの凄惨な出来事を描写しているため、
私は本を閉じては、また読み返していました。
読み終えた後は、もう一度読み返す気持ちになれないほどの
重い衝撃をうけました。

飛行機が墜落した現状がどのようなものであるのかは
想像を絶します。
遺体の状態も、救助した人も、検死する人も、日航担当者も、遺族も。
涙が浮かぶけれど、なくこともできない衝撃でした。
それでも、誰もが懸命に事故に向き合っている姿を知ることが出来、
人間の尊い一面をみることができました。

迷ったり、投げ出したいような気持ちになったときには、読んでほしいです。
この本はあきらめない強さも教えてくれます。

評価5点「勉強になる」 2007-03-25
レビュアー:太郎(32人中30人が参考になったと回答)
事故の概要や生存者の証言などは予め、ネットなどで調べて一通り把握した上で読む事を
オススメします。(この書には事故の原因や事故発声時の機内の様子などの説明は無いので)

具体的に、事故で亡くなられた犠牲者の遺体の状態など書かれています。
その遺体の状態を知ることで改めて事故の凄惨さを知ることができます。
この事故の被害者は亡くなられた犠牲者であることは言うまでも無いですが、
最大の犠牲者は愛する者を失ったご遺族でしょう。
そのご遺族の心情をくみとり、自らの肉体/精神の限界になるまで遺体をご遺族の元に
帰そうと頑張る著者の姿に胸が熱くなりました。

著者だけではありません。検死にあたった医師の方々、日赤の看護婦さん、
ボランティアの方々はご遺族の心情を最優先に考え一睡もせず作業に没頭するのです。
遺体を抱きしめてあげるシーンがありますが、涙してしまいました。
自分の親族でもないのに一体づつ修復をするのです。これこそが、ご遺族と犠牲者に
対する最大限の思いやりだと思いました。

近頃、心無い人間が増えたと感じる世の中ですが
この書を読むと、人間の持つ本来の強さや思いやりなどに触れることができます。

それと個人的に勉強になったのは外国人犠牲者の章で、
宗教の違いで遺体に対する認識がこれほど違うのか?!と思った点です。
う〜ん、確かに遺体とは既に魂の抜けてしまった『形ある物』でしかないのだろうけど、
その魂はその体をそれまで使い懸命に生きてきた生の証であると思います。
だから遺体を丁寧に扱う日本に生まれてきて良かったな〜とも思いました。
評価4点「複雑。」 2002-05-17
レビュアー:(30人中28人が参考になったと回答)
この本は感動を狙う”小説”ではありません。多くの人が亡くなり、遺族の
哀しみと事故の悲惨さを取り上げる報道の陰で、その凄惨な事故現場で
見るも無残な遺体を収容し、検死し、なんとしても遺族に引き渡そうと
していた、多くの警察関係者、医者、看護婦などの活動を記録として残
そうとして書かれたものです。

当時遺体の検死・遺族への引渡しを現場で指揮していた方が書かれた
記録は、プロのライターのような、感動をあおるような言い回しは出て
きません。時には読むのがためらわれるような哀しい場面も出てきますが、
決して大袈裟な表現ではなく、事実が事実として書かれているのが
伝わってきます。
ある意味惨酷な記録を読んでいる自分を救ってくれたのがこの、いかにも
ではない文章でした。
遺族はもちろん、奇跡的に生存された方の心の傷も計り知れないと思います
が、直接の被害者以外にも、自分や家族を犠牲にしてまで、遺体と遺族と
向かいあった多くの人がいることを知ることも大事だと思いました。

私は単純に”感動”とは言えず、複雑な気分ですが、多くの人に読んでほしい
本であることは確かです。