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壊れた尾翼―日航ジャンボ機墜落の真実 (講談社プラスアルファ文庫)
壊れた尾翼―日航ジャンボ機墜落の真実 (講談社プラスアルファ文庫)
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講談社

¥ 980

文庫

売上ランク:205080位

2004-06

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ユーザーレビュー一覧(全9件 平均:4.0)

評価2点「裏付け不足露呈」 2005-08-18
レビュアー:(25人中16人が参考になったと回答)
理論的な解析や人脈を通しての取材などを行ってはいるが逆にそれに終始して現実のパイロットが行う操作などについては「事故調を含め学者は知らない。買いかぶりすぎ」と居直っているのが納得できない。それならばなぜ現場をよく知る「旅客機の」パイロットにもっと深く突っ込んで取材をしないのか?日乗連などとも数時間の会談で終わっており、その一方で空自の戦闘機パイロットが「戦闘機の急減圧と747では違う」などと話している内容を書いており、論調が事故調と同じく著しくバランスを欠いている。その上で、「法体系の異なる日本の事故調査は国際的なものとは異なってよい」と一方的に断じているのは、著者が批判している「保守的な」航空業界の一員でしかない学者の単なる暴論である。
異論を唱えるのであれば、理論だけではない実験や聞き取り、現場調査などでの裏付けを行うのが筋であるが、文面からはこれらが読みとれず、机上の空論であると言われても反論の余地があるまい。
数点の関連書籍を読んでいるが、むしろ読むほどに日本の事故調査の異常性と遅れが理解できるという意味において、有益ではあった。
評価4点「筆者の観点」 2004-08-21
レビュアー:powder1000(15人中12人が参考になったと回答)
筆者の研究している雫石の事故の解析場面から始まるこの本はエディターズレビューにもあるように以前の著者の単行本から加筆されたものとのことである。
事故の原因に言及する部分は、奇をてらった結論ではないがその導出過程は著者のひとつの意見と捉えることができる。

ただ筆者自身が記している通り、航空理論の説明の部分は文庫本で行うには少々荒くならざるを得ずまた、かえって判りにくい印象があった。

一方で、航空業界に関わる著者ならではの人脈をつかった調査は単なる新聞記事の域を出て面白く感じた。
また、本論ではなく記述も少ないが、事故調査に関する日米の姿勢の違いについても興味深かった。

評価4点「ほんまに惜しい」 2006-10-28
レビュアー:cecedece(17人中11人が参考になったと回答)
実に難解な話を何とか分かってもらいたいという意欲がにじみ出た好書。基本的には事故調の論理が肯定されている。要は「しりもち事故」の補修が完全に行われていなかったということになる(のかなあ)。飛行機というものはどんなもんで、あのような事故の時にはどんな風に動くのかを懇切丁寧に教えてくださっております。どんなもんでも自然の法則に従って動くということを再認識しました。ただ惜しむらくは、既に他の方のレビューにもありますが、何とかいう賢いお姉ちゃんの名前を出さなかった方がこの本の格を上げたと思います。興ざめ以外何もんでもないです。星ひとつ減点。
評価5点「惜しい」 2005-11-13
レビュアー:ちとせ(14人中10人が参考になったと回答)
著者は航空力学の権威。科学的に説得力のある議論が展開されており、陰謀論者の主観的かつ恣意的なストーリーを一蹴する力強い内容。本書を読めば、日航機事故の原因がほぼ理解される。

急減圧があればそれは加速度計に反映される。そしてその減圧の速度は機体容積に大きく依存する。これらは明白な科学的事実であり、反論の余地がない。ただ、この点を理解するには力学についてのある程度の知識が必要。多くの陰謀論者はそうではないので、話は永遠にかみ合わないのかもしれない。

基本的に非常に優れた労作だと思うのだが、文中何度も出てくる江連という記者が、実は美人の女性記者であることが一番最後に明かされ、そこで一気に読者は白けてしまう。女の尻を追いかける色ボケ老人の話だったのか、と。話の本筋にこの女性記者の存在は一切不要だ。著者はプロの文筆業者ではないから仕方ないにしても、このようなバカバカしいストーリーにした編集者の力量を疑わざるを得ない。まったく惜しい。

しかしそれを差し引いても、日航機事故についての、保存の価値ある資料である。将来の全面的書き直しを期待して、星5つ。

評価4点「事故調擁護の書」 2005-07-21
レビュアー:kentmild(10人中7人が参考になったと回答)
日航機事故については、その事故調査報告書にかなりの疑念を持たれているのが、出版界の大勢のようですが、
本書は基本的に事故調査報告書を擁護する立場を取っている、数少ない書と言えます。
調査委員会に知人が多いというのがその一つの理由だと思いますが・・
論調として、疑念を持たれている部分については、科学的に検証できるものは検証し、
分からないものは分からないとハッキリ明言した上で、報告書の内容の信憑性が高いと判断している姿勢は、
好感が持てます。
しかし、結局分からない部分がいくらかあり、やっぱり報告書は怪しいと思ってしまうのは、下種の勘繰りでしょうか。
とはいえ、飛行力学という専門的な話を非常に平易に解説できる、著者の才能にはハッキリ言って脱帽です。