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カオスから見た時間の矢―時間を逆にたどる自然現象はなぜ見られないか (ブルーバックス)
カオスから見た時間の矢―時間を逆にたどる自然現象はなぜ見られないか (ブルーバックス)
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講談社

¥ 945

新書

売上ランク:118136位

2000-04

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本書を含むリストマニアリスト

ユーザーレビュー一覧(全3件 平均:4.5)

評価5点「本当は統計力学の本だと思います」 2003-07-20
レビュアー:さるサル(19人中10人が参考になったと回答)
熱力学や統計力学は、平衡状æ...‹ã®å­˜åœ¨ã¨ã„う前提の上に築かれた。ã"れã‚'熱力学の第0法則ともいう。そもそも平衡状æ...‹ã§ã®è­°è«-ã-かできない。本書は、ã"の第0法則の存在証明に徹底的に拘っている。

本書ã‚'ちょっと乱æš'に要ç'„すると「カオス(ポアンカレの言うとã"ろのカオス)ã‚'もつ運動であれば、その運動ã‚'たくさã‚"集めた集団はいずれ、層空é-"上に一様に分布するようになり、統計力学で言うとã"ろのミクロカノニカル分布ã‚'実現できる」といったとã"ろである。

息もつかせず一æ°-に読み通すã"とができる。時é-"の矢の認識=不可逆現象の存在。スãƒ"ンエコーでの”時é-"反転”といった話題も十分、è'-è€...の意図ã‚'理解させる。

本書は、ちょっとæ˜"にはやった「カオス」が主題ではなく「統計力学」ã‚'基礎付ã'るã!"とが本å½"の目的であると思う。

 

評価4点「可逆性から不可逆性を導く」 2007-02-09
レビュアー:御猫大明神(11人中7人が参考になったと回答)
著者はプリゴジンの研究室で研究していたらしい.

で,「分子的混沌」などの仮定を用いずに可逆性から不可逆性を導き出すことに成功したという.特に多重パイこね変換の手法を用いてそれを示す.単パイこねと違って,多重パイこねでは平衡状態への移行だけでなく,非平衡定常状態への以降も論ずることができる.

さて,このときのポイントとなるのは,統計力学で用いられるギブス集団において,ギブス集団の個々の状態は可逆的なのだが,そのそれぞれの状態を相空間内の点としてあらわしたときに,その点の集まりの形状が時間経過とともに不可逆的に変化していき,それが時間の不可逆性の起源だそうだ.

ところでパイこね変換の話はよくプリゴジンも使っているのだが,彼はパイこね変換の場合は,無限の過去においても無限の未来においても平衡状態へ導き,熱力学第二法則は,それゆえ,選択則として働く,という話をしていたと思うのだが,その話との関連はどうなっているのかいまひとつわからなかった.
評価5点「不可逆性の理解の一つの到達点」 2008-01-09
レビュアー:ばるさみこ(6人中5人が参考になったと回答)
プリゴジンらが「存在から発展へ」等で展開している巨視系の
時間対称性破れがintrinsicに起こるという主張に対して、
カオスマップとビリヤード系を用いて、一つの包括的ストーリーを
与えたのが著者達である。

Ruelle-Pollicott共鳴とSinai-Ruelle-Bowen測度が不可逆性に
果たす役割と、時間発展作用素が時間対称性を持つにもかかわらず、
現実的には時間発展非対称性が現れる理由(現実に用意できる
初期条件の滑らかさが原因)を、実例を持って示した功績は大きい。
特に、それまでのプリゴジンスクールのモデルは場の理論の
無限次元系であった為、時間発展演算子のユニタリー非同値の
問題があるので、著者らは有限次元系の例を示したことも功績であった。

しかしながら、トイモデルでありすぎるため現実の系にまで
拡張する動きはその後ないのが残念である。