
「02年ノーベル賞受賞者の業績が記される。若い方にお薦め」 2002-11-21
レビュアー:灰色のアルベリヒ(53人中45人が参考になったと回答)
本年度ノーベル物理学賞に輝いた著者の若い人向けの好著。著者の物理屋(物理学者はこう自称する)としての回顧に続き、天文学と結んで大きく飛躍する物理の最先端から著者の壮大な将来図までが小著に見事に書かれている。私のひがめかも知れぬが、世間の関心は同時受賞の化学者の方に向きがちだが、著者の業績の全体像を知ればおそらくは多くの方がため息を漏らされることだろう(つまらぬ例:化学者の英語力が話題になっているが本書をお読みになれば、隣でにこにこ微笑む著者の心中が解る)。本書は受賞に合わせて急遽書かれたものかと思ったが、同シリーズの旧著をほぼ全面的に改訂している。むしろ、自らの勿論、共同受賞者についても受賞の事実は記されていない。時間をかけて改訂して一般にはいささか敷居の高かった旧著がかなり読みやすくはなっている。ただ、最終段階で急いだ痕跡がいくつか残っているのが残念(例えば、何度か出てくる「星雲」は「銀河」に置き換えられるべきだったし、巻末の用語解説の出来がもうひとつ。それに、解説のある語には本文中でそれを示すなどの工夫が欲しい)。21世紀はバイオの時代といわれ、入試の関係で物理離れが著しいとも聞く。しかし、バイオの基礎はやはり物理だし、物理自体が今も基礎科学のフロンティアで新しい展開を続けていることが本書を読めばよく解るだろう。学校の休日増を基礎学力強化に向けるのは当然であるが、勉強することが面白いと思えることが先だろう。その意味で本書は高校生、大学初年級等の若い方に是非お薦め。ただし、記述はやはり難しい。友人達と一緒に読むといい(物理をちゃんと勉強した指導者がアドヴァイザーでいれば最高)。更に本書を読めば著者が育てた多くの弟子達(彼らは著者を「親分」と読んで慕う)が研究を大きく発展していることが解る。それは数年後に次の受賞者を出す筈。著者には是非お元気でそれを見届けて欲しいと願う。

「小柴先生とニュートリノ」 2004-09-11
レビュアー:yucca(4人中3人が参考になったと回答)
小柴先生の今までの研究、ニュートリノを理解するための天体物理学が易しい言葉で説明されています。説明するとややこしいことは適当に省かれています。どこまで深く知りたいかにもよると思いますが、ニュートリノとはどういうものか、ということはこれを読んだらだいたいわかります。