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経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)
経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)
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講談社

¥ 1,680

単行本

売上ランク:181886位

2008-08-08

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ユーザーレビュー一覧(全1件 平均:4.0)

評価4点「薬局に走る前に処方箋をもらいましょう」 2008-08-15
レビュアー:kogonil_35(13人中11人が参考になったと回答)
週刊誌によくあるような自己診断の企画(「あなたは何タイプ?」みたいな)のように、自分の立場や
主義を判定できる、たいへん面白い試み。
読者がアクティブに記述内容に関与していける構成になっていると同時に、それに先だって経済倫理
の入門でもあり、既存の諸々の立場の整理も有用であり、勉強になる一冊です。
そして、自分の立場・主義を判定してみるって、思ったよりもずっと面白い。
用意されている設問には、「これまで、あんまりちゃんと考えたこと無かったなあ」というものも多く、学術
的な経済倫理だのイデオロギーの分類だのって以外にも、とっても勉強になります。そして判定結果に
けっこう仰天かも。本書での案内に従って判定する以前に、「オレって、こういう立場ね」とか漠然と思っ
ていたり、「ああした見解には異論がある!」とか思っていたことを、けっこう裏切る結果が出ましたよ、私。

本書の整理や、自身の立場の客観視から初めて、その先にいろいろ考えることが出てくるという意味
でも、かなり教育的な一冊。

でも、2点ほど、かなり納得ピンチな点が。

その1:
そもそも、なんで一貫してなきゃ駄目なの?
Aという問題にはXという対応で、Bという問題にはYという対応で、ってのでは、どうしていけないの?
むしろ一貫した立場は、往々にして自己批判を強要されまくりの挙げ句に総括されちゃう、みたいな
方向に流れがちなんではないかと思うけれども。
本書で言及される「立場・主義」が、現象や見解を比較したり査定したりするための座標軸とかツール
って位置づけならわかるんですよ。一貫してなきゃ信頼できるツールにはならないから。でも、どうもそう
ではなく、まんま、個々が抱く具体的な見解をもって、「立場・主義」と言及しているみたいで、だったら
どうしてア・プリオリに一貫性が(問われることすらない)前提とされているのか、かなり疑問。

その2:
整理がすっきりしすぎなのでは?
本書で言及されてもいるように、定義の設定次第で、話しが変わってくることが多いと思います。
一例を挙げれば、「利益 vs 倫理」って軸。
当初設定された論点に納得いかないです。プロテスタントの隣人愛を持ち出すまでもなく、だって
企業が業績を上げて利益を出すってことが、そもそもどういうことなのかって話しがありますよね?
古典的で恐縮ですが、利益を出していること自体が積極的な社会貢献になっているって理路は、
いくらでもありますよね? 信頼できない製品を市場に出しておきながら「私たちは木を植えています」
もクソもねぇだろ、みたいな。真摯なNGO活動よりも、便利で安価な携帯電話の普及こそが、アフリ
カの低所得者にとって医療へのアクセスを容易なものにしている例とか。
本書での整理を開始するための端緒の論点設定には、このように異議ありまくりであって、ちょっと
整理がすっきりしすぎではないかと思います。

岡本裕一朗『異議あり!生命・環境倫理学』(ナカニシヤ出版)との併読が推奨かな?、と。