ユーザーレビュー一覧(全96件 平均:4.0)

「悪意の意味」 2008-04-06
レビュアー:tn581jp(33人中30人が参考になったと回答)
一人称の形で物語は進行する。ある作家が殺される。犯人は案外あっさりと分かる。しかし、その犯人はなぜか動機を語ろうとはしない。次々と動機に関係ありそうな事柄が浮かび上がってくるが、決め手となるものはない。謎はますます深まってゆく。そして、犯人自身によって真相が語られる。それは込み入っており、われわれ読者が想像できる範疇を超えている。作家というもののエゴを感じずにはいられない。しかし、犯人が動機を語らなかったのは、愛する人を守るためだった。そこからは、人間の本質が見えてくる。悪意というタイトルがついているが、事件の真相からは犯人の悪意は見えてこない。むしろ、自分ではどうしようもない感情に流される人間の弱さ、哀しさ…そういったものが浮かび上がってくる。このストーリーは決して特別なものではなく、われわれがともすれば陥りかねないわなを描き出している。どこにでもある、私たちみんなが持っている悪意。それが時には、殺人事件を引き起こすこともあるのだ。私たちは、彼ら(殺人犯)を特別な人間と考えるのではなく、同じ人間としてとらえるべきであろう。
…と思っていたら、最後に大どんでん返しが待ち受けていた。これまでの出来事がすべて覆されてしまうほどの。さすが東野圭吾、と思わせる作品である。ミステリー好きを満足させるに足る好著。
悪意―。このタイトルの持つ本当の意味を知ったとき、読者は人間の不可思議さ、その心理の微妙さに思いを致さずにはいられないだろう。人間の持つ業が見事に表現されている小説である。

「裏切り&裏切り」 2004-07-31
レビュアー:(22人中20人が参考になったと回答)
これは、今までの小説と一味も二味も違ったものでした。
今までの小説は「なるほど」と思っていくものが多いのですが。
悪意は読んでいくにつれ、「え・・・・」となっていまうのです。
1つの事件から見えてくる、その人の人間性や考え。とても奥の深い小説だと思います。 これは是非1度読んでみてほしいです。

「本当にとんでもない結末」 2001-12-17
レビュアー:(21人中16人が参考になったと回答)
この小説はNHKでドラマ化されました。この小説の醍醐味はとんでもない作者(東野)の発想にあります。
意外にも犯人は最初から捕まります。しかし、誰もが予想できない信じられない結末が用意されています。最初から犯人が捕まるんじゃあ面白くないと嘆く必要はまったくありません。
なぜなら、読者を一秒も飽きさせず、しかも読破するまで逃がさない罠が次々に展開されます。野々口は被害者なのか、日高は悪人なのか。
どこまでが真実でどこまでが嘘なのか。花火に隠された謎とは。
「悪意」とはなにか。人は悪意さえ持たなければすべての事を許されるものなのでしょう。
一読の上NHKドラマを見るのもお勧めです。

「ミスリードが巧み。見事にやられました。」 2005-12-16
レビュアー:ごまふあざらし(18人中16人が参考になったと回答)
いきなり捕まる犯人。彼の書いた手記により明らかになる動機に成程と納得。
が、甘いのです。読者を一旦納得させておいてから見事にそれを裏切る東野氏の十八番が待ち構えていました。
東野作品なので多少のミスリードはある程度は覚悟していましたがこの作品は特に手が込んでいます。
2転3転していくアクロバティックな話の展開に完全にしてやられました。
正直少なすぎですが星5つ!

「悪意とは何か・・・?!」 2005-05-09
レビュアー:ホッカルさん(27人中13人が参考になったと回答)
人が持つ 底知れぬ『悪意』が感じられる・・・・。犯人が 被害者の幼馴染である 野々村真であることは
最初に提示されるし それは事実であるが・・・その動機は皆目
分からない・・・。そして その動機こそ・・・底知れぬ悪意とつながっているのだ・・・。パンパンにはらした手が・・・その悪意を物語っている・・・と言った その見せ方がうまい・・・。
野々村真は 病魔に侵され 死ぬ寸前・・・。もはや警察に捕まる
事を恐れていない・・・だが・・・死ぬ以上に・・・
暴かれたくない『悪意』が世の中にあるのだ・・・。
人の持つ悪意の醜悪さが この本からにじみでている
是非とも読むべし