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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

私が彼を殺した (講談社文庫)
私が彼を殺した (講談社文庫)
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講談社

¥ 730

文庫

売上ランク:4498位

2002-03

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ユーザーレビュー一覧(全37件 平均:4.0)

評価4点「二度は読ませてしまう作品」 2003-10-12
レビュアー:masakyon99(11人中10人が参考になったと回答)
犯人は一体誰か?
容疑者は3人。この3人を1人称としておのおのの視点から描かれる。
それがこの本の特徴だ。つまりはその章によって物事への見方が変わる点だ。
これが結構読者を惑わすのかもしれない。

犯人は毒物だけを追っていたのではわからない。
結局最後の解説を読んで、またポイントを読み直すハメに私はなってしまった。

それよりも何よりも関係者全員が被害者の死を悼んでいないのが怖かった。
唯一悼んでいるように見える婚約者の美和子までもが、ラストに貴弘が気づくように、自分のために演技をしているのである。
美和子の視点でのこのストーリーが実は一番読みたいかもしれない。

評価5点「推理に自信あった」 2004-12-19
レビュアー:くま(11人中9人が参考になったと回答)
久しぶりの東野圭吾「本格推理小説」体験であった。別に暇をもてあましているわけではないが、たまたまポッカリと時間が出来たので、まさかこれで1日潰すような愚かな真似はすまいと思いながら読み始めたのではあったが…。甘く見ていた。本当に1日を潰してしまうとは!

それもこれも、途中まで自分の推理にある程度の自信が出来たからいけないのである。この作品は犯人当ての「本格」である。アガサ・クリスティみたいに再終盤では容疑者全員が集まり、加賀刑事という「名探偵」が謎解きをして最後は「犯人はあなただ」と言って終る。後は解説を読んで「答合わせ」をするのだ。クリスティの場合は容疑者が相当数居る。しかし、この作品の場合はほんの数人。時間をかけて随分と丹念に読んでいった。私は分かった気になっていた。

この文庫には前回の「どちらかが彼女を殺した」と同様、「袋とじ解説」なるものが付いている。だから立ち読みでは犯人は分からない。今回初めて気が付いたのだが、前回同様、西上心太という解説者なのだが、後扉の紹介文にはこの解説者の名前はない。というとなると、この解説者は実在の人物ではなく東野圭吾の分身なのだ。まったくもって回った作品である。トリックもまったくもって回っていやがる。ええ、その通り。推理は当たりませんでした。

評価4点「結局自分では解明できなかった。」 2004-02-05
レビュアー:suidou(9人中8人が参考になったと回答)
自分で、絶対に解明してやるゾ!
と意気込んで読みました。結果は見事負け!でした。

袋とじの解説を見たら一発で分かりましたが、そうでなければわからなかった。

ストーリーも分かりやすく、簡単に解けるだろうと思っていましたが・・・・・

皆さんも挑戦してみてはいかがでしょう。

評価2点「犯人はわかったものの…」 2005-11-23
レビュアー:ポニタン(12人中7人が参考になったと回答)
袋とじ解説を読んで犯人はわかったけど、そうなると「だったらややこしいことしなくても○○を調べた時点ですぐ犯人わかるだろうが!」と思ってしまうんだよねえ。証拠品に○○があるかどうかは捜査の基本中の基本。そこに××さんと△△さんの○○しかなかったらあっという間に犯人確定しちゃうじゃないの。こんなんでいいわけ?
評価4点「前作よりもレベルアップしたフーダニットの本格推理小説がここに!」 2008-06-02
レビュアー:Tsukaya(9人中7人が参考になったと回答)
 本書の装丁は緑の表紙に何本かの白いゆりの花が束ねられており、なかなか美しい。東野氏が勝ち取ったといわれる直木賞受賞作『容疑者Xの献身』の表紙装丁も、黒の表紙の赤い薔薇というコントラストで心を揺さぶった。たしか装丁は作者自身が選定しているということだから、かなりのこだわりをもっているのだろう。むろん両作品の装丁の関係性を多くの読者は意識することはないであろうが。

 本書のような読者に犯人探しを課す作品は前作『どちらかが彼女を殺した』に続いて二作目だ。容疑者は一人増し3人になる。しかし私はその容疑者の一人は当初から犯人ではない(いやあってほしくない)と思いながら読んでいた。その結果は各々の読者に委ねることにするが、前作が大学院修士課程レベルであれば、本作品は間違いなく博士課程レベルの高い質を誇るものだ。丹念に読んだが、犯人は絞れず「解説」を読んでも分からないという締まりのない閉じ方だった。とはいえ、それは前作で体験済みであるので、さほど驚かない。本書を読み終えて、即座に犯人のめぼしがつき、かつそれを論理的に説明できた読者は少ないのではないか(私自身の負け惜しみを含む)。作者のいわば容赦のない要求がかえって痛快に思えた。

 本書は加賀恭一郎シリーズの一作品に数えられている。今回も彼の地道な捜査とそれに基づく緻密な推理能力に感嘆した。しかし彼の登場は190頁以降で、「加賀百万石の加賀です」というセリフとともに登場する。大学生時代を描いた初登場作品『卒業』では二年連続して剣道の学生チャンピオンになっているが、その後の作品ではあまり言及されていない。刑事としての高い捜査能力は『眠りの森』や『悪意』といった諸作品から明らかである以上、彼の人間としての素性をもっと知りたいと私は思っている。ということは、ひとまず『赤い指』を読む必要があるか。「フーダニット」の世界を自ら堪能できる貴重な作品であった。