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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

聖(さとし)の青春 (講談社文庫)
聖(さとし)の青春 (講談社文庫)
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講談社

¥ 680

文庫

売上ランク:9015位

2002-05

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ユーザーレビュー一覧(全55件 平均:5.0)

評価5点「これが実話だなんて、なんてすごいんだ村山聖!」 2003-08-29
レビュアー:tin-toy(30人中28人が参考になったと回答)
恥ずかしながら、現代将棋界で、これだけすごい成績をあげている村山聖という人を僕は知りませんでした。以前「将棋の子」を読んで感動した事があったので、この本の存在は知っていました。それで、文庫本が出たのを機に何気なく海外旅行のお共として買ったのですが、それは失敗でした。

時差ぼけを解消すべく寝続けるべきの飛行機で一睡もできなくなったのと、公衆の面前(飛行機の席)で号泣してしまったからです。しかも何度も。最初に涙が出たのは「いかせてくれ」の一言で、その後は、ほぼページをめくるたびに涙が出続けます。

体調のせいで、何日もまんじりともせずに布団にくるまっている時に、水滴の音で自分の命の炎がまだ消えていないことを知る、対局に行くために階段を下りたところで力尽きながら、それでも這ってでも対局に向かう。

たった一つ、名人位を取るためだけに、彼は、なぜ絞り取るように自分の命を削ることができるのか。

こんなに激しい人生が、この現代で、ほとんどリアルタイムで進行していたなんて。なぜ、生前に彼の活躍を知ることができなかったのか、応援することができなかったのか、それが本当に悔しい。

評価5点「泣きながら3時間」 2003-11-19
レビュアー:空之介(30人中23人が参考になったと回答)
私が「聖の青春」と出会ったのは、ハードカバーの新本でした。職場の帰りの、最寄りの駅前の本屋に平積みされていました。
将棋は打てませんが、父が好きでテレビを見ていたので、村山聖のことは知っていました。もちろん、癌と闘い、死んだことも。

だから、私は店員さんが注意しないことをいいことにページを繰りました。涙が出てきました。幸いハンカチを持っていたので泣きながら、最後まで読んで、帰りました。
翌朝職場に行くと、仕事仲間からこう言われました。
「俺たちが夕飯を食いに行くとき、お前本屋にいたのをみたぞ」
「え、見たんですか?」

「そしたら、夕飯から職場に戻るとき、お前、まだあの本屋にいて、泣きながら本をよんでいただろう?都合3時間も立ち読みしているなんて、そういうときは買って帰るもんだぞ」
私は真っ赤になって、「すいません」と言いました。
その本が文庫本になり、やっと私の手の届く本になりました。

断言します。絶対お薦めの本です。ハンカチとティッシュは用意してください。
「聖」という山本おさむのマンガもあります。こちらも独自の視点で村山聖を描いています。こちらも一緒にお薦めします。

評価5点「「生きる」ということ」 2003-01-17
レビュアー:ボレロ(20人中17人が参考になったと回答)
村山聖が22歳頃に残したという言葉を、父親の伸一さんが巻末に寄せた文の中で見つけた時、どうしようもなく涙が止まらなくなった。

本文だけでもノックアウト寸前だった僕にとって、おそらくこの言葉の存在は、あまりにも大きすぎたのだろう。

僕は将棋のことなんて全くわからないし、興味をもったことすらない。
ただ、読んだ後こんな気持ちにさせられる本と出逢ったのは初めてのことだった。

どうか「将棋が分からないから」という理由だけで、この本のことを避けないでほしい。

ここに書かれていることは、村山聖という人間の生きた道そのものなのだろうから。

評価5点「まさかこんなに感動的な本だとは知りませんでした」 2002-05-25
レビュアー:くま(22人中16人が参考になったと回答)
「手をのばせば届くところにある」ところまで名人位に切迫しながら、29歳で急逝した聖。病気と生涯闘いながらもまっすぐな心を失わなかった青年。推理小説や萩尾望都などの少女コミック、藤沢周平などをむさぼるように読み、本の中に埋もれて眠った独身の男。水道水のポタポタ落ちる音を聞きながら生き延びるために何日もアパートで体を休める病人。蟻を殺すことを拒否し、稼いだ金は惜しみなく寄付にまわし、大震災で知り合いが圧死すれば、入院するほど精神が追い詰められる人間。体調がいいときは天才の羽生や谷川さえかなわなかった怪童。病人も歳も関係ない将棋の世界で自分を見事に表現した勝負の鬼。親子のような森プロとの師弟関係、最期まで聖の望むままに献身し尽くした両親、それをこの本の構想前からずっと見守り続けた著者。「優しさ、強さ、弱さ、純粋さ、強情さ、奔放さや切なさといった人間の本性を隠すこともせずに、村山はいつも宝石の原石のような純情な輝きを放っていた」

この本の発行とほぼ同時に連載が始まった漫画『聖』(「ビッグ・コミック」連載山本おさむ著)がある。このマンガのほうも名作ではあるが、それぞれアプローチの仕方が違う、似て非なるものであるという事は強調しておきたい。

評価5点「衝撃!」 2003-03-11
レビュアー:(20人中16人が参考になったと回答)
去年、広島に出かけた際に書店の店頭で、新刊コーナーに平積みされているのを何気に手にとりました。
将棋なんてできないし、村山聖という人のことも全然知らなかった。でも何故か惹かれるものがあったのです。

時間つぶしにその書店併設の、眺めのいい喫茶コーナーで読み始めました。数ページも読まないうちに、今までに感じたことのない、心が揺さぶられるような衝撃を憶えました。それから夢中で読みすすめました。

ハッと気がつくと、目の前には美しい夕暮れの広島の街並みが・・。

それを目にしたとたん、涙が溢れてきてとまらなくなってしまいました。というのも、偶然にもこの物語の主人公である村山聖さんは広島の出身。今、私の眼下に広がる街の片隅にある将棋センターに幼きころの聖が通っ!ていたことを思い浮かべては涙しました。

この本に出会ってから、大崎善生さんのファンになり全ての著作を読んでいます。ノンフィクション、小説、エッセイ、どれもすべてオススメですが、この「聖の青春」がやっぱり最高傑作だと私は思っています。

村山さんの人生そのものを、たぶんありのままに近いかたちで飾ることなく書き綴っているのだと思います。大崎さん自身も村山聖という棋士が大好きだったということがありありと伝わってきます。