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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
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講談社

¥ 520

文庫

売上ランク:14849位

2003-02

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ユーザーレビュー一覧(全37件 平均:3.5)

評価3点「東野作品としては物足りない」 2003-06-01
レビュアー:ナツナオ(35人中33人が参考になったと回答)
どこにでもいそうな普通の人が犯してしまう犯罪。
その犯罪を隠すために嘘をつく犯人。
そして捜査にあたる加賀刑事は、犯人に嘘を重ねさせることで、その矛盾を暴き、犯罪を解決させるという短編集である。
作者の実力は随所に感じられるが、作者のほかの作品と比べると、今ひとつのできか? 

何となく子供の頃にみた「刑事コロンボシリーズ」を思い出してしまった。

評価4点「少し物足りない」 2003-06-15
レビュアー:ナツナオ(37人中33人が参考になったと回答)
少し物足りない
どこにでもいそうな普通の人が犯してしまう犯罪。その犯罪を隠すために嘘をつく犯人。そして捜査にあたる加賀刑事は、犯人に嘘を重ねさせることで、その矛盾を暴き、犯罪を解決させるという短編集である。作者の実力は随所に感じられるが、作者のほかの作品と比べると、少し物足りない。今ひとつのできか? 

何となく子供の頃にみた「刑事コロンボシリーズ」を思い出してしまった。

評価4点「悲しい4つの事件+1」 2005-01-24
レビュアー:tkselement(24人中22人が参考になったと回答)
 東野さんのパターンである連作小説集。パターンと言うのは同一主人公。この本では加賀刑事がそれにあたります。で、この加賀刑事と言う人の設定がなかなか良い。イメージ的に古畑任三郎を誠実にし現実味を加えたキャラクターに見えます(おふざけを排し、好感がもてます)。そう感じたのも、これらの短編は犯人の心理描写を描いているため、犯人探しと言うより、どうしてそのような罪を犯してしまったのかと言う事を見せ、随所にちりばめられた「嘘」を加賀刑事が指摘していくと言う形だからだと思います。その伏線の張り方やミステリーなどは、いつものように東野安全印で安定して高レベルなものです。短編と言う事がもったいないくらいですよ。
 この本に出てくる犯罪を犯してしまった人達に共通するのは人間としての弱さと悲しみ。犯人賛歌ではありませんが、どうしても同情してしまう人達が描かれています。とくに「第2の希望」の母親の心理には胸が痛みます。
 悲劇の事件が多いため、どちらかと言うと読後はブルーになる内容だと思いますので、その点を心に留め置いて読まれることをお勧めします。
評価4点「各事件に潜む動機を炙り出す加賀恭一郎の抜きん出た推察力!」 2008-05-13
レビュアー:Tsukaya(8人中7人が参考になったと回答)
 本書に付された帯の説明にあるように、加賀恭一郎は東野作品にしばしば登場する刑事である。自らの感情を表に出すことなく淡々と事件究明に邁進する彼の姿勢に共感するファンも多いに違いない。私が彼の名前を最初に知ったのは、『どちらかが彼女を殺した』という読者自身による犯人当てを企図した作品である。納得するまで調べ上げる執拗な捜査に対して犯人の内心は穏やかでないが、彼の巧みな術中に落ちてしまうケースに読み応えがある。そもそも、彼は「自分の質問が何のために行われているのか」を犯人に予想することを許容させず、どんなに些細な情報であってもその価値を慎重に酌量する能力に長けている。

 本書は加賀恭一郎の初の短編集であり、彼の活躍が存分に味わえる作品だ。他のレビュアーが書いているように、本作品からはあの有名な古畑任三郎を想起させる構成であり、「犯人が誰であるのか」ではなく、「犯人がなぜ犯行を行ったのか」という「ホワイダニット=動機」の追及に比重が置かれている。殺人事件を犯した人間には必ず「動機」(それはその本人にとってはきわめて重要なもの)があり、読者もそれが犯行を行うに足る十分なものであるのかを看過しないはずである。そういう意味でも、こうした作風もそれなりの魅力を有しており、東野圭吾作品の奥行きの深さを体感させるものであるのではないか。短編集であってもじっくり読めば、加賀の刑事としての能力だけでなく、男との魅力をも示している(最後の作品「友の助言」)。

 とはいえ、各作品における犯行動機はありきたりのものが多く、斬新なものではなかった。率直にいえば、犯行動機それ自体の解明よりも、細かい情報を巧みに積み重ねることから透けてみえている、事件の様相を暴く加賀による捜査能力の凄みへと読者を導きたいのかもしれない。私としては思わず震撼するような「動機」を備えた諸作品を期待したが、それは次回作に持越しである。
評価3点「犯人を憎めない・・・」 2005-05-08
レビュアー:ゆこりん(7人中5人が参考になったと回答)
完全犯罪などということはありえない。加賀は、散らばっている事実をひとつひとつ丹念に拾い集める。その拾い集めた事実をつなぎ合わせたとき、見えてくるのは矛盾に満ちた証言。そしてその証言の向こうの真実。どんなに取り繕ってもしょせん嘘は嘘。真実はひとつしかない。事件は見事に解決する。しかし、犯行にいたる動機には、人間の切なさが隠されていた。罪を犯した人間を、心の底から憎む気にはならなかった。