ユーザーレビュー一覧(全13件 平均:4.5)

「「乱歩賞」久々のヒット作」 2008-08-13
レビュアー:Wakaba-Mark(11人中6人が参考になったと回答)
本書は評判も高く、今回の文庫化で大きな期待を持って読んだ。
「少年法」、「少年犯罪」という重いテーマに挑んだ現代社会派ミステリーの問題作といっていいだろう。惜しむらくは「乱歩賞」の応募規定に原稿用紙にして550枚という枚数制限があるため、あれもこれもといろんな要素を盛り込みすぎて、あまりにも都合よく最後に結びついてしまう不自然さがあった。
しかし緻密に張り巡らされた伏線の妙といい、読み手を惹き付けるストーリーテリングの巧みさといい、読み応え十分の力作だった。

「面白く読みました」 2008-09-14
レビュアー:茶碗2(5人中3人が参考になったと回答)
少年犯罪というテーマは重そうで、少し敬遠していたのですが、友人から薦められて読んでみました。面白く読みました。
社会問題を取り上げたミステリ小説は世に沢山出ていますが、安易な結論を出して物語を閉じてしまい、納得のいかないものが多く見られます。しかし、本作品は、最後までバランスを失わず、きれいに走りきっている感じ。
読んでよかったと思える作品でした。薦めてくれた友人に感謝!

「若い人達にこそ読んで貰いたい」 2008-10-20
レビュアー:accini(3人中1人が参考になったと回答)
江戸川乱歩賞は、実に読み易い小説ばかりです。
本作もまるでマンガを読むかのように、一気に読めてしまえます。
必要以上の暴力模写もありませんし、下世話な性的模写もありません。
しかし、この作品の中にあるのは、
「少年犯罪」「被害者の気持ち」「更生とは」「贖罪とは」という、
重く、大切な、人間とはを問う、重厚なテーマです。
それをエンターテイメントの中にまぶし、飽きさせずに、
ある意味「面白く」読ませてしまう、この凄さ・・・
若い人達の活字離れが嘆かれて久しいですが、
そんな若い人達に、是非、「大人達が読ませるべき」一冊ではないでしょうか・・・!
そういう意味で、この作品は、大変な傑作と断言出来ます。

「一気に読みました」 2008-10-24
レビュアー:杜の都(1人中1人が参考になったと回答)
少年犯罪で厚い保護の元 罪を犯した少年は更生できるんでしょうか。
「光市母子殺人」でも報道される内容は 疑問に思うことばかりでした。
更生するとは どういうことを言うのでしょうか。
被害者への謝罪無くして更生したといえるんでしょうか。
本書はその少年法に対しての被害者の苦悩がとても良く伝わってきました。
一つの殺人事件がもたらした波紋が,また別の事件につながっていく。
面白くて一気に読みました。

「今や身近な問題」 2008-10-27
レビュアー:猪川(1人中1人が参考になったと回答)
複数の少年犯罪が複雑に絡み合って、被害者の憎しみの中から生まれた、新たな犯罪。少年法で、犯罪を犯した少年・少女は本当に人として更生することができるのであろうか、という誰もが抱く疑問をテーマにした作品である。
確かにテーマは面白く、日曜の午後、一気に読んだ。ただ、祥子・みどり・仁美の人物造形が弱く、三浦・長岡・貫井の関わり方が中途半端な気がし、また澄子の感情面での伏線がそのまま終わってしまって、主役以外の印象がすごく薄いような気がする。
本当は★3つくらいにしたい気もするけど、デビュー作であることと、テンポのよさで+★1つ。