
「文学」 2008-10-30
レビュアー:真治(5人中5人が参考になったと回答)
新装版は、従来の全4巻のほうより分厚く、何話か多く収録されていますので、このまま行けば、全3巻になるんじゃないでしょうか。
6年以上前、二十歳そこそこの頃に読んだ時には意味不明だったけど、年齢を重ねてこの面白さが分かるようになった。
全くなんて漫画だろう。
やっぱり、文学、に近いんだろうか。
この漫画は、説明しすぎないから、読者が意味を汲み取りながら読まなければならない。
絵が見ずらい、とゆうのは、意図してか、せいでか。
線が太いから、絵が、特に人の表情などが、よく分からない。
絵を判読しようと、凝視する、それには労力を使う。
絵が判読出来たら、なんだか急にそのコマが現実感、深みを帯びてくる。
つかった労力が報われたように。
つまり読者の方で、絵を、想像力を使って、様々に解釈をしながら楽しめる。
単に小汚い絵なら凝視などして、想像力を働かせて汲み取ってやろうなどとは思わないんだけど、この絵は全漫画中でも、最も小汚く、最もチャーミング、そして構図は上手い、よって、読者に絵を凝視させることに成功しているんだと思う。
パラパラと適当なページをめくって見ると、どのページも、話なんて分からなくても、絵が何かを語っている。
やっぱりこの魅力ある汚さは誰にも真似出来ないんだな。
話も、良いんだけど、この漫画がもし、小奇麗な絵だったら・・・半減。
そう考えると、絵の勝利だと、思うわけです。

「映画が好きな人は読んでみては」 2008-11-01
レビュアー:ななしんぼ(5人中4人が参考になったと回答)
ドラマ化もされた「セクシーボイスアンドロボ」の作者である黒田硫黄の初長編の新装版。
物語は二十歳すぎの女性「シノブ」、天狗をよびよせる力をもつ少女、少女の力を利用して大日本天狗党を結成し
天狗の力をとりもどそうとするシノブの「師匠」、少女の力にひきよせられる伝説の大天狗「Z氏」
Z氏の力を利用しようとするシノブのおじである「教授」らがくりひろげる群像劇である。
筆で描かれたただいたんな筆致、ダイナミックな構図とコマ割り、小気味のいいセリフとやりとり
そして宮崎駿の作品にも匹敵する浮遊感と、とても初の長編とは思えないおもしろさだ。
しかし、悪くみればあらっぽくうつる画風、読者にじっくりとした読解力をもとめるマンガ表現と物語展開を考えると
誰にもすすめられる作品とはいいにくいので星4個とさせていただいた。