ユーザーレビュー一覧(全8件 平均:4.5)

「読めばわかる。読まないとわからない志摩子の秘密‥。」 2008-04-01
レビュアー:やじうま(26人中18人が参考になったと回答)
連作短編集の何冊目かのこの本、全部書下ろしというのは初めて、らしい。
いつぞやの青い傘は、祐巳の手を離れて知らぬ間に祐巳よりも多くの旅をして、また祐巳の手に
戻ってきたが、その傘にまつわるサイドストーリーも編みこまれており、先代の薔薇さまたちの
エピソードと併せ、マリみて世界がまた一段と厚みを増した感がある。
基本の舞台は薔薇の館。
バレンタインのお返しをどうしようかと相談する祐巳たち3人が交わす言葉のはしはしから、それぞれの
短編の主題が取り上げられ展開する。
サイドストーリーが語られる間も薔薇の館の時間はきちんと進んでおり、最後もきちっと締めて
いるところが見事。
実にビビッドなオススメ連作短編集。

「短編集と本編の中間にあるような一冊」 2008-04-01
レビュアー:夢野ヒトミ(25人中17人が参考になったと回答)
番外編色の強い他の短編集と違い、本編での気になるあれこれを補完した一冊です。
大変、本編色が強いです。あとがき読んで、全て書下ろしただった事が解り納得。
今野センセのファンサービスが一杯詰まった一冊となっています。
特に初代三薔薇様メインの話が個々に用意されているのが、旧来からのファンにはとても嬉しいのではないでしょうか。
個人的には、あとがきでの意味深な発言が一番嬉しかったわけですが。
祥子様の卒業でマリみても完結してしまうのではないかとビクビクしていましたが、
これは・・・希望を持っても良いのかな!!?
『祥子卒業で終わっておけば良かった』という意見も出るかもしれませんが、私は祐巳ちゃんの卒業まで見たいのです!!!!
まぁ、それはそうと、
スマートな雰囲気、読後感の良さ、集英社の『マーガレットにリボン』は最高におすすめです^^

「かなり微妙」 2008-05-20
レビュアー:白薔薇のつぼみ(22人中16人が参考になったと回答)
皆さん絶賛されている中で、辛口評価をさせていただきます。
まず、このタイミングで短編というのが話の引き延ばしとしか考えられません。
内容が良ければいいものの、どれも抑揚がなく短調な話ばかり。
「のりしろ」部分は特に淡白で読んでいて退屈でした。
先代薔薇さま達+蟹名静が出てきたのは唯一良かった点(これがあるのでなんとか星2つ)ですが、
「青い傘」のようなマリみてを完全に逸脱した話は入れて欲しくなかったです。
志摩子の誕生秘話も、後付感満載で違和感が拭えません。
妊娠→出産→病死というまるでケータイ小説のような陳腐な展開にも辟易しました。
他に問題点を上げると、挿絵が少なすぎ。後半は全くありません。一体どうしたのでしょうか?
今回は、全くストーリーに進展がなく、短編の出来もイマイチなので、読まなくても問題ないかもしれません。
「あとがき」によると、祐巳・祥子編も「そろそろゴールが見えてきた」そうです。
この書き方ですと、瞳子問題で延々と引っ張ったように、祥子卒業でも引っ張るのかもしれません。
それはやめてくださいね。初期のようなテンポよく話が進むマリみてが読みたいです。

「短編集」 2008-04-01
レビュアー:紙々(21人中13人が参考になったと回答)
バレンタインデーのお返し、ホワイトデーの話を軸に元薔薇様3方のお話も登場。
まさかの志摩子さんの出生話まで。
全体的にゆったりと落ち着いたテンポですのでコーヒーを飲みながら愉しむのは如何でしょう。なつかしい思い出と共に楽しませてくれます。
もちろんコーヒーは温かいカフェオレ(笑)
物語の中でも『卒業式』という単語、あとがきでは卒業式について書かれているので卒業式まであと僅かに感じます。
春菊の栽培でも始めてみようかしら?

「薔薇今昔と青い傘とエキストラな人達。」 2008-04-01
レビュアー:メロディハニィ(16人中9人が参考になったと回答)
子供の頃、泊まった友達の家で何気なく、「○○ちゃんのお父さん、
帰り遅いんだね」と言った所「ああ、○○んちはお母さんと私だけだよん」
と、まるで今回の志摩子さんの「お天気を語るような」言葉で答えられ、
自分が普通だと受け止めている生活が、どんなにか幸せなことか、
そして自分が邪気無く放った一言が相手を傷つけたか気落ちした経験がある。
そんな幼かった頃の青い苦さを久し振りに古傷の疼きで思い出した。
前回の「薔薇の花冠」以降、「先代薔薇様方はどうしているのか…」
と後ろ髪を引かれた後の、見事なヒット。最新刊では大学生となった
紅・白・黄、そして黒…先代達の生活が、今野さんらしく繊細に
そして誰にでも覚えがあるセピア色の郷愁のようにそれぞれ短く描かれている。
中盤、なんと主役的に扱われているのが、人間ではなく「ある物」。
かつての失くし物だった物体が、果たしてどんな人達の手から手へ
渡されてどんなエピソードを見守ってきたのか…。
突然現れた初対面のキャラクターさえにも一瞬で親近感を抱かせてしまう、
非常に書き手側の卓越した文章力と表現力、構成力を見せ付けられる
相変わらず素晴らしい小説である。
驚いたのが、「マリみて」では初めてではないだろうか。
男性の一人称語りが存在した事。新鮮でとても心惹かれるその朴訥と純粋さ。
あとがきにもいつもながら楽しませてもらえるが、やはり気になったのが
「祐巳と祥子編の終わり」という一言。それではまだ薔薇達の物語は続くのか…
実に心から期待してしまうところだ。
…ちなみに私事ながら、「りぼん」「マーガレット」を通過することなく
一気に「ジャンプ」してしまった私としては、「マリみて」と出会えた幸運を
噛み締めるばかりだ。