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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

潮騒 (新潮文庫)
潮騒 (新潮文庫)
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新潮社

¥ 420

文庫

売上ランク:58382位

1955-12

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ユーザーレビュー一覧(全46件 平均:4.5)

評価1点「血肉を備えていない人形劇」 2006-01-20
レビュアー:k-0(22人中14人が参考になったと回答)
この小説は「三島由紀夫」というブランドネームで不当に高い評価を受けすぎているのではないでしょうか。もしも見知らぬ新人がこんなものを書けば、誰だって馬鹿にするに決まっています。これは三島の小説の中では最も読みやすく、クセのない小説なのですが、見かけ上のわかりやすさとは裏腹に、実は彼の作品の中で最も読者を排除した作品なのではないかと思います。極端なまでに登場人物の内面描写を削り外面だけを描こうとする文体なので、登場人物の誰ひとりにも感情移入することが出来ません。登場人物は単に恋愛物語をなぞる操り人形に過ぎず、どんなに明るい太陽の下で物語が展開されても、ちっとも「血肉を備えた人間」が伝わってきません。外見が爽やかすぎるほど爽やかな小説なのですが、その分、ものすごく「うさんくさい小説」だと思います。これを書く前にギリシアを訪れた三島が、ギリシア的な明朗さを日本に移し替えて「神話的世界」を書こうとしたという「意図」だけはわかりますが、それにはもっと物語を膨らませる技巧が必要不可欠でしょう。「小説の技巧」には優れていた三島も、「物語の技巧」には必ずしも恵まれていなかったようです。
評価4点「確かに読書感想文にもってこい」 2003-03-04
レビュアー:(22人中13人が参考になったと回答)
廃墟の中で裸の少女が叫ぶ「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」 裸の若者は躊躇することなしに火の中にまっしぐらにととととびこんだ!・・・抱き合う二人。 少女は言う「松葉が痛うて」・・・・。笑っちゃいけない、「昭和の精神」を再喚起することによってそれを終わらしめた(柄谷)、あの三島由紀夫はまじめな顔で(たぶん)この小説を書いたのだ。揶揄するつもりはないけれど三島の妄想爆発。そしてちょっと三島に親近感を抱けるかも。まあ何はともあれとても面白いので中高生は是非読書感想文用に読んでみよう。その際は間違っても三島の美しい日本語について等述べるのではなく、素直に「俺もあんな小さな島であんなことしたい」とリビドー全開の感想でも書くべし。
評価5点「最も美しい文章」 2000-11-12
レビュアー:(15人中9人が参考になったと回答)
 何という美しい文章だろう。この小説を読みながら、そのことを強く感じた。  四国を舞台とする少年と少女の物語を綴る文章は、同時に瀬戸内海の美しい風景を想像させる。

 漁師の少年が、瀬戸内の海と少女との出会いを通じて、大人になっていく過程が、大変清々しくそして熱く描かれている。読んだ者には、まだ少年であった自分が何かに挑戦する時の熱い気持ちを思い起こさせる。  少年の頃の記憶、少女の頃の記憶。この物語には、誰しもがもっていた素晴らしい、そして大切な記憶が詰まっているように思える。

 美しい舞台の中での美しい物語。それが大変美しい表現で届けられる。紅葉と夕焼けを見ながらこの物語を読んで見てください。とても美しい時間があなたに届くと思います。

評価4点「最後の一節に注目」 2003-11-09
レビュアー:spocktakayama(10人中9人が参考になったと回答)
学生時代(30年前)に読んだときは、「三島もこんな純愛小説を書くのか」という感想しかありませんでした。
しかし、今回一気に読んで最後の一節を読んだ時に三島由紀夫らしさを感じました。この小説を書いた目的は、最後の文章を書きたいがためのものと思います。
半世紀前に書いたとは思えない新鮮な気分と人間の一面を見せてくれます。
評価5点「ただ、美しい」 2007-07-11
レビュアー:toyoji(9人中8人が参考になったと回答)
三島らしくない作品。「仮面の告白」のような、あまりにも病的、または深淵に臨むようなイメージの作品が多い中、同じ作者だとは思えない程美しい純愛が描かれています。

10代のころは、ただの純愛物語としか捉えていなかったのですが、歳を重ねて読むたびに彼の繊細な描写に敬服させられる気持ちになるとともに、失われた美しい日本の情景が胸にしみてくるようで切ないです。

親子の愛情、初恋、成長などが織り交ぜられた戦後の時代のお話。心が清められるような一冊です。読後がすがすがしい。