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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

裁判官が日本を滅ぼす (新潮文庫)
裁判官が日本を滅ぼす (新潮文庫)
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新潮社

¥ 620

文庫

売上ランク:102886位

2005-10

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ユーザーレビュー一覧(全19件 平均:4.0)

評価5点「司法の崩潰」 2006-04-23
レビュアー:仮面ライター(33人中22人が参考になったと回答)
 
 書名はセンセーショナルだが、決して羊頭狗肉ではない。実際、本書に登場する非常識かつ傲岸不遜な判事さん方の実名とその判決内容を逐一紹介したいところだけれども、それは止めにしておく。ともかく、彼ら彼女らが退官後、弁護士や公証人となる資格は剥奪すべきだし、年金や勲章なども絶対に与えてはならないだろう。そう思わせるほどの“トンデモ判決”を下してきたのがこの連中であり、著者のタブーを恐れぬ勇気に敬意を表したい。

 さて、彼ら彼女らは「(裁判官は)判決を語らず」という言辞を隠れ蓑にして、まともな事実審理・認定は行わず、「判例相場」と「世間相場」の乖離にも頓着せず、社会正義の実現などという崇高な理念はもとより無く、ただただ異常なエリート意識に裏打ちされた傲慢な訴訟指揮だけが取柄の連中なのだ。こんな「社会(公共)の敵」と言わざるを得ないような官僚裁判官に、国民の貴重な血税を使われたくない、と思うのは、私だけではあるまい…。

 著者の門田氏は「あとがき」で、「日本はやがて裁判官によって滅ぼされるのではないか」と危惧しているが、私も全く同感である。そして、何よりも深刻なのは、司法が政治に全面屈服し、言論封殺に手を貸しているという現実だ(第14章)。その結果、「日本の裁判官は、司法の独立を守るなどという気概も誇りもなく、政治の思惑に躍らされ、国民共通の財産である言論・表現の自由など、とうに顧なくなっている」(P.361)のである。
評価1点「読むワイドショー」 2007-08-21
レビュアー:たるまつ(34人中19人が参考になったと回答)
幸い、この本にたどり着く前に、最近のメディアに頻出する虚像を解く何冊かの本を読むことができていた。この本は免疫なしに近づくと、まずい本かもしれない。
事前に読んでいた本は、医師がそのモラルの低さから医療過誤を隠蔽しまくっているという虚像を解くもの、警察のレベル低下で治安が悪化しているという虚像を解くものなど諸々だが、いずれもメディアの勢いに阿らないプロもしくは反骨者の手になるもので、簡素な図式にすれば、プロとして及ばずながら頑張る人たちと、その足を引っ張る一部メディアに煽られた衆愚の対立と言える。

裁判官の中には特異な言動の人もいるだろうし、残念ながら被害者感情をフルに汲めない辛い判決もあるだろう。
しかしながら、大衆感情に沿わなかった数例の裁判をもとに、殊更事件の悲惨さで感情を誘導しつつ「裁判官はほとんどが市民感情を理解する機会もなく育ってきた欠落エリートで、日本はお先真っ暗」と主張して終わりのこのセンスは何とも。百歩譲って個人的に怒りが沸騰したとしても、文字にする以上は少し冷静に問題提起してくれないものか。
いや、ワイドショーである以上「やな感じ」を提供して床屋談義に火をつけるまでがプロの仕事なのかも知れないが。

今やクールな少数の指摘するところは、「裁判が、メディアの煽る大衆感情に押し込まれ、自律性を欠いていること」だと思うのだが、筆者によれば「裁判官は権力に阿り、メディアを黙殺し弾圧する」とのこと。これぞメディア関係者の特異なセンスではないかと一般人は思うのだが。

こういう火付けと、地道にこれを片付けて回る本当のプロフェッショナルのサイクルでこの世は回っているのかも知れない。そう思うに至った点で収穫だった。
評価3点「裁判の問題を知る上で読むべき作品だとは思うが、ノンフィクション作品として考えると不満がある。」 2007-05-08
レビュアー:Taro(22人中18人が参考になったと回答)
当たり前過ぎる感想しか思い浮かばないのだが、自分が当事者だったらと薄ら寒いものを感じてしまった。

裁判員制度の実施が近づいてきたこともあってか、裁判をネタにした本が結構出版されている。傍聴マニアが書く笑いを含んだものも多い。自身が当事者になる経験をしたか、余程真面目な人でもない限り、こういった作品を野次馬的興味で楽しんでしまうのはある意味当然だと思う。私もそうだ。

しかし、当事者でなくとも暗澹たる思いにさせられる本書のような作品を読んでしまうと、やっぱり自分は間違っているのだろうかと自問自答してしまう。ここに紹介(告発)された事件の中には、まだ記憶の中に残っていたもの、読むことであらためて記憶が甦ったものも多かった。

本書を読むと「裁判のプロ」の常識は「裁判の素人」の非常識になり得ることが理解できる。それと同時に「人権派」弁護士と称される一部の人たちの非常識も理解できる。

しかし、事件そのものや裁判の経過を詳細に追ったのではなく、裁判官の判決と判決理由に焦点を絞った作品なので事件の全容は理解しにくい。また、事件を担当した裁判官達が、判決文が全てであることを理由に取材を拒否(よく考えるまでもなくこれは当然だと思うが)していることもあり、結果的に証言者はその判決によって不利益を受けた人物に偏っていることから、作品全体が裁判官に対する糾弾の場になり事件の見方が一面的になっている。

それ加えて筆者の文章も糾弾調である。事件関係者の怒りはそのまま記させるべきだとは思うが。筆者の主張まで怒りを顕わにした文章で書き綴ってしまうのはどうかと思う。このような大きな問題を扱うからこそ、より冷静な筆致が求められるのではなかろうか。


評価2点「トンデモ判決には驚くけど...」 2007-06-11
レビュアー:源内(27人中18人が参考になったと回答)
あきれるようなトンデモ判決に司法への信頼が揺らいでしまうが、読み進めていく内に著者のスタンスに違和感を感じるようになった。これらの偏った一部の判例を普遍的なものであるかのように強調し、これを持って「日本の司法はダメだ、国を滅ぼす」と結論するのはいかがなものか。タイトルは「針小棒大」の感を免れない。また、著者は裁判官にアポ無し突撃取材を試みているが門前払いを喰らい、この事で裁判官の人格を非難しているが、何の心の準備もない私生活の場へいきなり情報武装したジャーナリストが来たら誰でも取材拒否するだろう。「政治に屈し、ジャーナリズムを制限しようとする司法」への反発が根底にあり、裁判官養成制度に問題があり正義と真実を追求しようとしていないと批判しているが、自分たちが為した事への責任を取らないのは裁判官もジャーナリストも同じであり、ジャーナリズムこそに正義があるとするのはジャーナリストの傲りである。他者を批判する前にまずは襟を正すべきであろう。藤原正彦氏は著書「国家の品格」の中で「第一主権者であるマスコミに扇動された民意によって国が滅びる」と述べている。まさに「ジャーナリストが日本を滅ぼす」のである。
評価4点「司法に対する関心」 2005-12-27
レビュアー:へに(20人中17人が参考になったと回答)
裁判官がいかに世間知らずかが書かれた本。もちろんすべての裁判官がそうであるわけではない。しかし人生において喜怒哀楽をもっとも感受する年代に六法と格闘していた人たちの姿がここにあります。読んでいくにつれ怒りとやるせなさが心に広がります。もし私自身が裁判と関わることになったらと思うと、日本の司法制度について誰もが関心を持って考えなければならない問題だと思いました。
但し本書で著者が本当に訴えたかったのは「司法vsメディア」の項でしょうか。その部分を読むと、それまでの記述はメディアに対する弾圧を訴えたいがための“前ふり”とも思えてしまい、やや興ざめしてしまいました。