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彼らの流儀 (新潮文庫)
彼らの流儀 (新潮文庫)
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新潮社

¥ 540

文庫

売上ランク:18696位

1996-03

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ユーザーレビュー一覧(全11件 平均:4.5)

評価5点「僕らの流儀」 2002-07-17
レビュアー:(9人中9人が参考になったと回答)
コラムであってコラムではない。様々な人生をそれぞれ異なった文体で描く、なぜか気になる33編のノンフィクション。全体的に不思議な雰囲気を漂わせつつ、沢木節も相変わらずかっこいい。作品に登場する人たちは魅力的で、下手なサクセスストーリーものを読むより、よっぽど人生のことを教えてくれる。生き方が多様化する時代だからこそ、読んでおきたい。
評価4点「十人十色−そこにはいろんな人生がある」 2006-01-02
レビュアー:竹の梯子(9人中8人が参考になったと回答)
有名無名も含めて33名(重複含む)の人生が鮮やかに切り取られている。読了後、ある瞬間がその人の半生を象徴することを知る。「私ノンフィクション」を標榜して沢木自身が全面に出てくる作品が多いけれど、本作では基本的に沢木は黒子に徹して、さもその人のモノローグのような形で文章を紡ぎ出していく。「市井の人」「平凡な名もなき人」というカテゴリーでくくられてしまう人々のなんと個性的で豊かな人生だろうか。凡庸にこそドラマがある。村上春樹の「アンダーグラウンド」(講談社)を読んだときに感じたものが蘇ってきた。「下流社会」だとか「ニート」という言葉が巷を賑わしているが、たくさんの人生に思いを馳せることで「見えてくるもの」があるかも知れない。
評価4点「真冬のホットミルクのように温まる一冊」 2004-11-18
レビュアー:ペンペン草(7人中6人が参考になったと回答)
『深夜特急』の中で著者は、「これだけいろいろな土地を旅しているが、私が最も興味を持つのは異国の自然でも史跡でもなく、やはり生身の人間なのだった」というようなことを言っていた(正確な引用ではない)。そのことがよく実感できる作品である。スーパースターから市井の人まで、著者の独特のセンサーに引っ掛かった人物の、もしかしたら当の本人さえ気付いていないかもしれない魅力的な瞬間を温かく切り取り、大事に包み込む。微笑ましかったり、しんみりしたり、ドキッとしたり、ちょっと自分に重ねてみたり、心地よい余韻に浸れる一冊。
個人的に好きだったのは、「チャーミーグリーン」の宣伝に手をつないで出演していた夫婦の7年後を描いたもの、また「東京タワーのてっぺんの航空障害塔は誰が換えるのか」という疑問を解決した一編。目の付け所がなんともチャーミングではないだろうか。
著者の以前の作品と関連する人物のその後が描かれているところもあり、沢木ファンには感慨深いだろう。
評価5点「一瞬の輝き」 2000-11-25
レビュアー:(6人中4人が参考になったと回答)
モデルの有名・無名を問わず、日常生活のひとコマにある一瞬の輝きを見事に捉えた傑作。ジャンルを超えたスマートな文章に、あなたも沢木耕太郎ファンになること間違いなしです。
評価5点「一人一人への眼差し。」 2004-05-23
レビュアー:bongsen(4人中4人が参考になったと回答)
沢木耕太郎さんの著作の中では最も好きな作品。
遠くへ、一人で旅に出る時には必ず鞄の中へ入れて行きます。

決して派手さはなく、淡々と、ひっそりと語られる33篇の「彼ら」の物語。

沢木さん自身があとがきで語っているように「コラムでもなく、エッセイでもなく、ノンフィクションでもなく、小説でもない」

そして「同時にそれらすべての気配を漂わせるもの」である文章は
ヒーローでもヒロインでもないごくごく普通の人々の生き様を温かく見つめる眼差しによって描かれています。
けれど決してウェットではなく、むしろ程よく乾いている感じがして
まったく押し付けがましさがなく、すんなり心に入ってきます。

すべてに対して「そういうのもありだよね」という肯定的な姿勢で接する沢木さんだからこそ書けた作品かもしれません。
何かに迷った時、自分に自信が持てなくて立ち止まってしまった時にそばにいて見守ってくれるような、そんな作品です。