ユーザーレビュー一覧(全40件 平均:4.0)

「国語教育は”キホンのキ”。言葉を知らない輩が多すぎる。」 2006-02-17
レビュアー:やじうま(48人中37人が参考になったと回答)
「一に国語二に国語、三四がなくて五に算数‥」という、数学者にしてこの乱暴さがたまらない。
まるで、江戸時代の寺子屋の「読み書きそろばん」だが、反す刀で、ゆとり教育や英語導入、
職業教育など、どこを向いているのかわからない現代の教育状況をズバリ、と斬って捨てる。
明快である。
本文中には、思わず線を引きたくなるような金言箴言が満載だ。
曰く、『知的活動とは語彙獲得に他ならない。』
『国語の基礎は文法ではなく漢字である。』
『読書は教養の土台だが、教養は大局観の土台である。』
『大局観なくして長期的視野や国家戦略は得られない。』
『子供の個性のほとんどは悪い個性であり、それを小学生くら
いまでのうちに正すのがしつけであり教育である。』
などなど‥。
枚挙に暇がない。
オビにある斎藤孝氏の「‥文部科学大臣になってもらいたい」というのも賛成だが、しかし、
教養もなく大局観を持たない首相始め政治家閣僚と一緒では仕事はしにくかろう、とも思う。
教育の基盤をどこに置くのか、何を育てるのか、将来を見通した目を持たない今の日本の
教育状況を考えると、著者のようにしっかりと基礎基本根源に立つ人物の存在は、実に貴重だ。
これからも大いにご活躍を願いたい。
後半の読み物も面白いが、表題作は前半の部分のみなので左程時間も要しない。
ぜひ、教育関係の皆さまにはご一読を、特に、お薦めしたい一冊だ。
(蛇足だが、ひとつだけ苦言を呈したい。満州は「満洲」と書いて欲しかった。)

「喜怒哀楽フル回転」 2006-01-11
レビュアー:ふわふわおくさん(38人中33人が参考になったと回答)
一見過激なようでいて、読んでみればどれをとっても至極まっとうな話です。文部科学大臣に迎えるのでは間に合いそうもありません。全ての学校の先生や文科省の役人のみなさん、教育審議会のみなみなさん、そして内閣のかたがたにすぐにでも一読していただいて、本気で話し合ってもらいたいこと満載です。
そういうまじめなエッセイの一方で、コラム・旅行記からは家庭では立場が強いとはいえない様子がユーモアとともにうかがわれ、社会を嘆いたり、あははと笑ったり、家族の姿に想いをはせたり、喜怒哀楽フル回転です。

「我慢力という概念に教育界を考えさせられた」 2006-03-19
レビュアー:社長(30人中25人が参考になったと回答)
国語教育絶対論については国家の品格においても言及されており改めて納得のいく論であると感じた
国語の弱さは現在の学生の最も大きな弱点であるといえる
論理的思考がビジネスの世界で重要であるといわれて久しいが、現在の学生たちがそれを間に受けて一生懸命になってもあまり身につかないのではないだろうか
それは論理の大前提には国語力、特に語彙力が一定以上のレベルを備えていなければならないという厳然たる事実があるからだ
英語、パソコン、金融の早期教育といったような現実社会に適合させるための間に合わせの対策教育の推進はいいかげんにやめて、基礎学力を徹底的に鍛えて、これからの社会をよりよく形成するための基礎を身につけさせることこそが教育に求められる本道なのだと私は思う
我慢力という概念が登場するが、これは学生達以上に基礎学力よりも社会に適応させるための急ぎすぎた教育を支持、実践する全ての人に欠けているものであり、この力の不足こそが教育界の最も大きな病巣であると改めて考えさせられた

「主張が明確で読みやすい」 2006-06-11
レビュアー:ごくろー(29人中24人が参考になったと回答)
「今時英語も出来なきゃ社会で通用しない」
私が両親から何度も聞かされた言葉だが、当の本人たちはというと殆ど英語は喋れない。
昔は出来たそうだが、日常生活で英語を使う機会が無いので今はすっかり忘れてしまったんだそうだ。
結局、英語とはその程度のものなのだと思う。
確かに、小学校から英語を学ばせれば流暢に英語を話せる人間が増えるかもしれない。
しかし、筆者が主張するように、英語の学習時間の増大により圧迫される他の教科(特に国語)の学習時間の方が、英語の学習時間よりも遥かに貴重なのだ。
ゆとり教育による被害は甚大で最早取り返しはつかないが、それでもこれから教育を受ける世代のために今すぐにでも改革に着手する必要があるはずだ。
それなのに未だにパソコンとか株取引とか・・・
いい加減、思いつきで政策を実施するのはやめてほしい。
筆者のような人間が文部科学大臣であったならばと本気で私も思う。

「ほのぼのしたエッセイもあって楽しい」 2005-12-31
レビュアー:鈴木純一(28人中23人が参考になったと回答)
「若き数学者のアメリカ」を読んで以来、随分久しぶりに藤原正彦氏の書いたものを読みました。表題になっている、国語教育を重視せよという論旨のエッセイを特に興味深く読みました。ただ、もっと分量を割いて深く論じたものが読みたかったとも思います。この内容だけで一冊の本になる程度の分量を読んでみたいと思いました。その他のエッセイでは、ご自身の子供に大小さまざまな発見を奨励しては褒めて育てる姿がほのぼのしていて楽しいです。