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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

国家の品格 (新潮新書)
国家の品格 (新潮新書)
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新潮社

¥ 714

新書

売上ランク:2389位

2005-11

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ユーザーレビュー一覧(全600件 平均:3.5)

評価1点「信じがたいほど低レベルの著作物。」 2006-03-13
レビュアー:RX(381人中219人が参考になったと回答)
まず第一に筆者は、「西洋の論理主義には限界があり、倫理道徳が必要」と主張するが、批判対象の西洋思想がギリシャ時代から「真善美」(論理・倫理・審美)の異なる価値体系を持つことを理解しておらず、真(論理主義)のみであるかのように主張し、批判している。
さらにそれに対して、持ち出すものが新渡戸稲造の武士道なのだが、これは当時文化的に低いとみなされていた日本にも「ある程度の文化がある」という主張を諸外国に対して展開したものである。要約すると、「武士道は騎士道に共通する部分がある。ただし武士道にはキリスト教の大きな「愛」が欠けているので、武士道とキリスト教が包摂しあえばより良い文化が日本にも生まれる可能性がある。」という内容である。
今、欧米の思想で問題になっているのは、キリスト教哲学から歴史的に演繹されてきたヒエラルヒーな思考形態であり、その超克である。日本が欧米より文化的に劣位であると思われていた時代の弁明を、現代でそのまま展開することの意味がどこにあるのか全く理解できない。
また、個々の引用は基本的には間違っていないが、全般に理解が極めて浅く、ゲーデルの不完全性定理に関しても、ラッセルやロッサーの反証が全く考慮されておらず神託のごとき扱いとなっている。そして、「論理の限界」の具体的な例示はこの一点しかなく、それをもって論理主義を捨てて武士道的な倫理の復権を訴えている。実際には、自然科学が完全でなくとも十分有効なように、論理学も十分に有効であり、階型論理は有効である。
本書は「全ての日本人に誇りと自信を与える」というキャッチコピーの付いている書物である。しかし、いわゆるプチナショナリズム系の書物の中でも、かなり低レベルな内容であり、これを読んで自信を与えられる国民が存在する、というのは深刻な事態であるといわざるえない。
評価1点「目眩がしました」 2006-03-14
レビュアー:koiajo(221人中134人が参考になったと回答)
筆者は前半部で「論理」を批判しています。
全ての論理を否定しているわけではないのですが、「短い論理」「出発点のはっきりしない論理」を深みに達しない、あるいは危ういとみなしています。
ですが、この書で情緒・形・武士道の必要性を主張するために展開されているのは、全てこの種の不完全な論理です。

もう一つ。
筆者は「論理的」なものとしての共産主義を批判しています。
ですが、共産主義のプロセスで実際に起こったのは、人々を共通の理念に縛りつけ、自由が否定されたことです。
その意味で、この書自体が共産主義的な性格を持つのではないでしょうか。

1ページに1つずつぐらい突っ込みどころがある稀有な書です。
藤原さんがどういうおつもりで書かれたのかわかりませんが、ネタであって欲しいです。
日本人が身につけなければいけないのは情趣・形・武士道ではなく、このような本を読んで鵜呑みにしない「考える力」だと思います。
評価1点「同じ著者の別の本を読むべき」 2006-01-18
レビュアー:Yoshi(174人中118人が参考になったと回答)
本書は、同じ著者の今までの著作に比べて圧倒的にレベルが低い。その理由は二つある。一つは、これが講演を元に加筆して作られたという、安直な作りの本だということだ。従って内容はスカスカで、一瞬にして読める。第二は、「国家」などという厄介な政治装置を持ち出してきて、いたずらにナショナリズムを煽っている点だ。しかし、恐らくこの二点が、残念ながらこの本がよく売れている理由でもあると思う。

「国家の品格」とはまた随分嫌らしいタイトルを付けたものだ。「文化の品格」くらいなら分からないでもないが…。しかし、そうであったとしても、文化の間には差異のみがあるのであって、その間の優劣を論じることには意味がないと思う。自分の文化に誇りを持ち、それを大切にすることは大いに結構だが、それは、他の文化を否定することとは違うのだ。また、この人の世界観は著しく偏っていて、日本とアメリカとヨーロッパの3極しか見ていない。それ以外の世界は存在しないとでも言わんばかりだ。あえて「大東亜戦争」という言葉を使ってみたり、「もしも私の愛する日本が世界を征服していたら、今ごろ世界中の子供たちが泣きながら日本語を勉強していたはずです。まことに残念です」なんてことを(冗談としても)言うのは、一体どういう感覚をしているんだろうか。

私はこの人のファンだった。英語よりも日本語、論理よりも情緒、金銭至上主義から脱却せよ、小学校で株式や英語やコンピュータを教えるなんてもってのほか、いずれも大賛成だ。いくつかの主張は大いに納得できるし、私はこの人の考え方に随分と影響を受けてきた。しかし、本書が著者の思想の集大成だとは、誠に幻滅した。

この本の中身のうち読む価値のある部分は、基本的に同じ著者の別の本に書かかれているので、これを読む暇があったら別の著書を読むことを強くお薦めする。中でも、処女作『若き数学者のアメリカ』がダントツで面白い。
評価1点「ひどい・・・」 2006-01-20
レビュアー:quadruped(197人中100人が参考になったと回答)
突っ込みどころ満載。
簡単に突っ込める内容が最初にかたまっているため、
そのあとのもっともらしい主張が正しく思える節があるが、
注意して読むべし。

資本主義、民主主義、株式会社、グローバリズム、
平等、論理、ゆとり教育、国際化=英語教育、
ナショナリズム、・・・

「現代の社会でこれらが偏重されているとして、
 そればっかりじゃこれからの世界はダメ。」という、
一昔前なら提言する価値のあったような内容に終始し、
そこに筆者の主張をのせてみたって感じ。

 資本主義の限界はさんざん論ぜられている。
 民主主義だってゲーム理論で万能でないことは証明されている。
 株式の問題は短期投資家だってば。ネットを検索してみるだけでも載っている。
会社に愛情を持った株主がどれほどいるか。ちなみに「1年は短期」なんですか?
1年ホルダーが会社に何の貢献もしていないハズが無いだろうが。


問題意識を持ちながら読んでいると、
新書なのに、考えながら読むな、俺の意見を聞けばいいんだ
とでも言っているかのような感覚になる。
評価4点「国家の品格の評価意見を読んで」 2007-07-20
レビュアー:フミ@UK(118人中93人が参考になったと回答)
私は、ある日本企業の赴任者として英国で10年。帰国後に英国人の家内が母国に帰りたいと言うので日本で退社し再び英国に永住目的で戻り12年、計22年を英国で過ごした者です。しかし、結局、家内も私も日本に戻る決意をしました。帰国理由は『日本には英国に無い品格や情緒がある』と言う点で、具体例は山程あります。細かく見れば、どんな事でも揚げ足は取れる物で、この本の批判をしている人の多くは、ご自分の知識の豊かさや論弁力を人に知らせたいのでは?と思いたくなる様な印象を持ってしまいました。22年間この国に住み、長男と次男が英国で生まれた私に取って、英国は息子と家内の故郷です。しかし、その英国を私達が去るのは何故なのか?この事自体が、この『国家の品格』の著者の言いたい事を、全く別の所で、この本の存在さえ知らなかった私が具体的行動と言う形で出した結論と私は考えています。具体例を挙げます。最近『インターネットカフェ難民』と言う現象があります。もし、あの現象が英国で起きたら、難民にになる前に、大半がナイフ、ガン、暴力を振りかざして自分たちの収入確保に走ったでしょう。しかし日本ではそこ迄落ちずにインターネットカフェ難民と言う現象が出た事自体、日本人の特質だと思います。全くの別例ですが、スティールコーポレーションのTOBなどは『金は有っても心の品格ゼロの例』だと思います。勿論、日本にも40歳前後の経営者で、金に物を言わせる品格を無くした自己中心型経営者が居る事も実ですが、概して日本人には品格が残っています。大切な事は、言葉尻では無く、著者の伝えたいメッセージを読み取る事だと思います。言葉尻を云々する事こそ、品格を疑われる行為だと思います。1970年に赴任した頃は『イギリス被れ』だった私が『日本人に生まれて良かった』と思い、日本に誇りを感じて書いた私の意見は多くの事実を自分の目で見た結論です。(FM)