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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

国家の品格 (新潮新書)
国家の品格 (新潮新書)
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新潮社

¥ 714

新書

売上ランク:2894位

2005-11

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ユーザーレビュー一覧(全604件 平均:3.5)

評価3点「面白いし、主旨には賛同するが。」 2006-05-17
レビュアー:山田晃嗣(122人中95人が参考になったと回答)
色々な面で面白く読めた。

著者の主張のいくつかには大賛成。
日本語教育の重要性、日本の自然の美しさ、
自国文化に誇りを持てなければ世界でも尊敬されない、等々。
酒の席での話なら、意気投合して一晩飲み明かせそうだ。

素晴らしい主張があっても、一冊の本にするとなると、
著者の主張を裏付けるような明快な説明が求められる。
本書では、その「説明」に極端な「光と影」があることが興味深い。

まず光の部分。
非常に読みやすくて面白いエピソードが満載だ。
一見過激に思える作者の主張に対し、
この本を読んだ多くの人が「うん、うん」と唸ったのではないか。

次に影の部分。
多くのレビュアーが既に指摘しているが、
説明の論理展開が壊滅的で、まったくの「詭弁」の世界なのだ。
例えば本書中の次の主張。
「中世の日本には優れた文学作品が多いが、
 西洋には『カンタベリー物語』程度しかない。
 したがって日本人は素晴らしい。(意訳)」
おいおい!
と言うことは、紀元前2,000年から文字も文明もあった中国人に、
我々日本人は永遠に頭が上がらないのか?

著者は冒頭で「論理」を真っ向から否定しているが、
著者の主張は、その否定した「論理」によって
説明されていることに他ならない。
しかも突っ込みどころ満載の怪しい論理によってだ。
これは自己否定のパラドクスに陥っているのではないか。

それでも、一見してもそれを感じさせない文章力はさすがである。
私は仕事でマーケティング的な文章を書くことがあるが、
著者の説明手法には大いに見習いたいところだ。
評価1点「天下の愚書」 2006-02-25
レビュアー:renqing(140人中92人が参考になったと回答)
 出版社からのコメントに、「数々の独創的な思考が展開されていますが、特に「論理の限界」を論理的に証明してみせた第2章は圧巻。」とある。圧巻に非論理的で愚かだ、というのなら同感。また、著者のいうところの「教養」は著者自身、身に付けておられない様子。ご自分の専門でもないことであまり大風呂敷を広げるのはどうか、と老婆心から心配申し上げる。
 書評なのに、中身に触れずにおくのはフェアではないと思うので、1点だけ。
 『武士道』の著者、新渡戸稲造は、南部藩の武士の子弟として生まれ、札幌農学校時代に洗礼を受けた、敬虔なキリスト教徒(クエーカー、プロテスタント)であり、終生それは変わらなかった。ある意味で、よき武家としての躾(しつけ)をうけたことがキリスト教への感受性を高めた。だから、この書は、かつての武家の嗜み・躾と、キリスト教という二親のDNAを受け継いでいる。このことをほとんど考察の外に置く著者の態度は、知的誠実さを欠く。つまり、新渡戸の「武士道」は、日本古来の武士道とほとんど別物になっている可能性がある、ということだ。新渡戸という人間そのものが、武士の子の骨格に、キリスト教精神が受肉して出来上がったものなのである。
評価1点「サヨナラ藤原正彦」 2006-05-11
レビュアー:moon(158人中92人が参考になったと回答)
 この人は本当に底が浅い人だなと悲しくなる。
 『若き数学者のアメリカ』を書き、また新田次郎を父とし、藤原ていを母とし、『流れる星は生きている』で描かれたような満州帰還の地獄を潜り抜け生き残ったこの人が、この年になってこんな本を書くようになるとは、あまりに悲しい限りである。藤原ていは泣くんじゃないか?こんなの読んだら。
 読んでいけばわかるが、とうとうこの人は考えることを止め、数学以外のことに関する非常に乏しい知識と乏しい教養、そして激しい思い込みでくだらないおしゃべりを人前で披露する人間になってしまった。

星ひとつという評価は、この本を読むべきではないという意味ではなく、この本が200万部も売れるこの国の状況につけた評価である。
評価1点「学問的には貧格」 2006-04-05
レビュアー:zigen000(137人中84人が参考になったと回答)
広告と内容の分かりやすさで売れてしまったトンデモ本

少なくとも「日本」に疑問なくアイデンティファイしていて、今日の「リスク社会」に不安を感じている人にとって、あなたは「日本人」であり、「日本人」はこんなに素晴らしいのだから大丈夫!と言ってくれる、この本は心地よく読めるだろう。

ただし本としての内容、誠実さは欠片もない。筆者は一応学者らしいので、少しは学問的な誠実さを期待して読んだがそうしたものは微塵も感じられない。少しでも歴史学、文学、社会学、政治学などを学んだ人であれば、この本に書かれている具体的な内容がほとんどトンデモ本のレベルであることにすぐ気づかれるだろう。例えば中世の西欧では『カンタベリー物語』程度しか文学的に優れた作品は無い、しかし日本は多数ある、従って日本は素晴らしい、など。学部レベルの文学史レポートでも文句なしに落第である。

そもそも使用している概念に根本的な錯誤がある。この本で批判されている西欧合理主義と、論理性、市場原理主義(新自由主義)、功利主義は全く別物であり、これらが混同されて「日本」的なものに対置されることにより、なんとなく「日本」の「情緒」が素晴らしいものであるかのように語られるが、話の持っていきかたとしては単なる言葉の手品にすぎない。
こうした本がベストセラーになってしまう世相を分析するのは面白いだろう。
評価1点「言いたいことはわかりますが・・・」 2006-02-11
レビュアー:くーん(123人中83人が参考になったと回答)
著者が言いたいことは、一部についてはわからないでもありません。しかし、その主張を支える論拠があまりにお粗末であることがとても気になりました。特に歴史の例示があまりに一面的で我田引水で、少しでも歴史を読んだことがある者にはとても受け入れられません。戦後教育のっかげで我が国の自然科学者に対する歴史認識はここまでお粗末かと、がっかりしました。著者に言わせれば、論理など二の次、正しいものは正しいということなのでしょうが、それこそ日本「原理主義」、情緒「原理主義」。著者の論によっても「危険な」(?)思想です。まあ、居酒屋で出くわしたオヤジの床屋政談といったところか。正直言って、プロの本ではありません。