ユーザーレビュー一覧(全604件 平均:3.5)

「稀に見る良書です」 2006-05-15
レビュアー:景光(57人中30人が参考になったと回答)
いろいろな批判もある本ですが、私自身は非常に良い本だと思います。各考察の底が浅いという指摘も見受けますが新書版という形態および講演録から書き起こした本である以上、ある程度は止むを得ないと思います。
それより、もこういった考え方があるというきっかけとしては最適の一冊だと思います。

「日本に必要なものとは?」 2006-05-17
レビュアー:たか(51人中30人が参考になったと回答)
講演を纏めた形式ということもあって一気に最後まで読むことができた。内容も良く新書が乱発される中で良書に挙げることのできる一冊であると思う。
内容で特に共感した点は「武士道教育」の重要性を伝えている点である。
幼少の頃、祖父が食卓で話していた内容と重なる部分も多く、昔の日本人は当たり前に武士道精神という素晴らしい考えを有していたのではないか、といった印象を持った。
また、小学校での英語教育が義務化される方向にある中、著者の主張通り日本語で充分な思考ができなければ主張を伝える道具である英語を習得しても、果たして国際人が輩出できるかといった考えにも賛同できる。
日本人として一読の価値はある良書。

「まさにコマーシャリズムの勝利、衆愚的」 2006-05-18
レビュアー:じゃま(49人中30人が参考になったと回答)
暴論と思って書いた本が称賛されては、筆者もびっくり。
B級本がベストセラーになるのは、まさにコマーシャリズムの勝利、衆愚的(タイトルが気になって買ってしまった自分も含めて)と言えば、暴論になるでしょうか。
(なるほど!と思った点)
論理は、必ず論理的でない出発点を前提とする「論理」は、目からうろこ。
自由、平等、民主主義が、必ずしも人を平和にしないというのも同意。
日本人の感性を誇りに思うというのも共感。
(でもなあ?と思った点)
でも、「我思う故に我あり」は、情緒を出発点にしていないぞ。
不自由、不平等、独裁主義は、もっと人を平和にしない。士農工商も同じ。
外国人だろうが、日本人だろうが、人によって感性は違う。
期待した程ではなかったけど、読んで無駄ではなかったと思います。

「日本人は日本の持つ美をもっと大切にし世界に範を垂れるべし」 2006-07-26
レビュアー:増田裕昭(51人中30人が参考になったと回答)
いや〜、よくぞ書いてくれました。
私は1988年に渡米以来カリフォルニアでの生活がいたく気に入り、アメリカ(と言うかカリフォルニア)に永住しています。しかしながら、日本のアメリカ化に異を唱える著者に諸手を挙げて賛成します。「ふるさとは遠きにありて思うもの」の心境でしょうか。
「祖国を深く愛している」そして「もののあわれという情緒に最高の価値を置く」という、私と著者の拠って立つ根本思想は不思議なくらい一致します。そして、惻隠の情、卑怯を憎む心、儚い物だからこそ大切に思う心、のどれをとってもまさにその通りと膝を打ちました。それらと対極にある、功利主義および近代資本主義の祖としてのイギリスの思想家ロック、その背景にあるカルヴァン主義、その後、それらを具現化したアメリカに対する辛辣な批判も諸手を挙げて賛同できます。
さて、著者は論理万能主義に警笛を鳴らしてはいるのですが、論理そのものを否定しているわけではありません。論理的に正しく話しを進めても前提が間違っていれば間違った結論に達すると言うことを強調しているだけです(当たり前のことですが)。そこで重要になるのが、いかに正しく前提を選ぶかと言うことです。ここまでは賛成できます。
ただ、そこで著者は正しい前提を選ぶためには論理ではなく美意識が重要であると主張しています。この点に関してだけは著者が数学者であることから来る限界が見えます。つまり美意識に重点を置きすぎることです。数学以外の自然科学者にとっても美意識は確かに定式化における一つの指針となり得ますが、前提を選ぶ際には美意識よりも観察から得たデータに基づく推論や直感などに重きを置く方が一般的だと思います。それはニュートン然り、アインシュタイン然りです(もっともアインシュタインの一般相対性理論だけはそうではないですが)。この点に関して著者の主張が正しいと思えるのはまず数学の世界だけでしょう。また、アインシュタインがいなくとも特殊相対性理論は2年以内に誰かが発見したであろうと、ことさら強調する点も同意しかねます。さらに言えば、他にも著者自身の前提が間違っている主張も散見され、独善との烙印を押されかねない危うさも孕んでいます。
とは言え、世界における日本の品格を高らしめるために著者が主張する、日本古来の文化を尊ぶと言う姿勢は全ての日本人が見習うべきです。著者の言うとおり、日本人は日本の持つ美をもっと大切にし、その美意識に基づいて世界に範を垂れるべきです。
そして、虫の鳴き声がノイズにしか聞こえない人が住むアメリカに居を構える私は、年に何度か日本のすばらしい美を愛でに行きます。それができる日本人として生まれたことを本当に誇りに思うと同時に幸せに思います。

「何を伝えたかったのか、が重要。」 2006-12-23
レビュアー:窒化銀(51人中30人が参考になったと回答)
私は中学生ですので詳しい事情も知ってないし、的確な批判もできませんが、何が言いたかったのか、を考えるとこの本は星5つ。
細かい点はどうでもいいですが、論理の破綻や武士道の存在はショッキングでした。私はもちろん、学校の友人は、「戦前は愚かだった。江戸はもっとダメ。中世はもっともっとダメ。今はマシ。」と考え教えられてきました。それをこの本はメッタ斬りしてます。この本が正しいにしろ、間違っているにしろ、教えられてきた考え方・知識を疑える機会ができるので、読むべきだと思います。
ただ、心配なのは「論理もなく情緒もない」人が読んで、論理が全然なくてもいいんだ、と思うことです。