ユーザーレビュー一覧(全604件 平均:3.5)

「なぜ、この本が良く売れるのかを分析した本を期待。」 2006-04-05
レビュアー:くりぴょん(44人中29人が参考になったと回答)
よく売れているのと、レビュー数が非常に多いので
購入してみました。否定的な意見が多いので、注意は
しましたが、確かに内容的に厚みのある学術的な書籍
ではありません。ただ、読みやすく、自信をなくした
日本人にとってみれば、「やっぱり日本ってすごいんだ」
と思うかも知れません。
他のレビュアーの方も書かれているように、この本が
売れる原因と買う人間について研究したいと思いました。
ベストセラーだからこそ読んでみたい(横並び主義、自
己の選択眼のなさ)、読みやすいから、日本人である自
分が世界的にも優位であると信じたい、etcの理由が集っ
てよく売れているような気がします。
個人的には、司馬遼太郎の小説を読む方が日本人や日本
の文化については、ためになると思いました。

「偉くなってしまった視点」 2006-04-22
レビュアー:KiKi(53人中29人が参考になったと回答)
「若き数学者のアメリカ」など、初期のエッセイが好きな人はショックを受けるかもしれません。独特の瑞々しさがなくなってしまい残念です。
「論理よりも情緒…」大事な視点ですが、説教臭くなりがちですし、無理やり納得させようとする驕りすら感じてしまいます。
それでも着眼点の新鮮さはさすがです。

「示唆と思い入れに富んだ本」 2006-07-21
レビュアー:Yosh(55人中29人が参考になったと回答)
講演内容を本にまとめたものなので、表現も平易かつ軽妙で非常に読みやすい。
ややもすると説教くさくなるような内容を、さらりと、くすりと、すんなり飲み込めるように論旨展開され、説得していただけるので嬉しくなります。
なんとなく最近の世情・風潮に違和感を覚えていた僕には、非常に明快な回答の方向性が示唆されて、すっきりした、という読後感です。
ホリエモンや村上ファンドや小泉劇場に賛成しながらもなんとなく違和感を覚えた場合、ぜひ読むことをお勧めします。
しかし、講演がベースなので、示唆にとどまります。で、そこに考える余地というか、思いをめぐらす空白というかがあり、非常に良い本だと思います。
それが筆者の戦略なのであれば、おいらはすっかりはめられました。

「題名は素晴らしいが中身は題名に劣る」 2006-09-23
レビュアー:海野雄吉(46人中29人が参考になったと回答)
国家の品格という題名は素晴らしいし、国家主義への傾斜を深めている時代からして、多くの読者を引き付けるだけの魅力を持つ。ただ、国家の品格を問わなければならないということは、現に品格が失われているということの証拠だが、なぜ品格がなくなったかということに目を瞑り、品格を求めるのは魚屋でトマトを探すようなものだ。明治の時代の日本の政治的な指導者たちには、日本をいかに世界に恥ずかしくない国にしようという意欲があったが、今の政治家たちは国家を食い物にして、いかに自分の利益にするかという欲望しかない。そういった現状への鋭い批判の目を向けずに、ただ「武士道」の精神を強調したのでは説得力がない。藤原先生自身が「平成の武士道」を執筆したというなら話は別だが、明治の偉人の新渡戸稲造を持ち出して、「今必要なのは武士道だ」というのでは、散々日本を食い荒らしてだめな国にした輩が「美しい国に」などというお題目を使ってバクリ本を書き、その宣伝で首相になるような亡国現象と二重写しになるだけである。

「どうぞ『羊の歌』を」 2006-12-08
レビュアー:るるやま・かおる(45人中29人が参考になったと回答)
売れているので読んだのだが、「一応読んでおこう」レベルの本だった。記録的ベストセラーになったが、出版史に刻まれる名著などというものではない。
講演をもとにした本なので、すいすい読めるし、面白いといえば面白い。なるほどと思うところもある。大学の先生だけあって、いろんな知識が豊富なのだが、なんだかそれに深みがない。深みがないので、心の奥に響かない。「知性的ではないよなー」と思って読んでいるうちに、加藤周一の『羊の歌』(岩波新書)のことをしきりに思い出していた。
知性という言葉を思い浮かべるとき、必ず『羊の歌』が思い出される。「国家の品格」なんて脳天気なことをぼんやり思うのではなく、緊張感をもって「国と個人の関係」について考えてみたい。『羊の歌』には、個人が国のあり方をぎりぎりまで問いつめ、時代を生き抜こうとする姿が書かれてあった気がする。最後の一文を読んだとき、心が震えたことを覚えている。『国家の品格』は読んでも読まなくてもいい。『羊の歌』はぜひ読んでおきたい。おすすめします。