ユーザーレビュー一覧(全59件 平均:4.0)

「的確な着眼」 2006-01-24
レビュアー:アノせきやん(21人中10人が参考になったと回答)
今日的問題を著者独特の観点から分析。
モノの見方、考え方を提言。
テロ・靖国・二ート・戦争責任・金・・・。
どれも見事に斬る。
靄っていたものがクリアーに。
特に『子供の問題』少子化に対する分析提言は秀逸。
養老孟司の本領発揮ですね。
おすすめです。

「拝金主義に狂った時代を象徴する粗製乱造の駄作が惜しい」 2006-02-25
レビュアー:海野雄吉(38人中10人が参考になったと回答)
二匹目の泥鰌を狙った本という感じで、一匹目の泥鰌で印税を稼いだから、再びそれを試みたというのでは読者をバカにしている。しかも一冊目の「バカの壁」に対して、「賢者のネジ」(タマイラボ出版)の前書きの中に、次のような指摘があったのが印象深かった。
・・・「現役時代には緊張の中で対話を試みたので、青年層に知的な刺激を与えていた人だのに、脳の研究をしていた先生が定年になり、読み終えた後で何も残らない本を出して、「バカの壁」と題した変なお説教をし始めた。しかし、それは「脳内革命」の亜流に過ぎないものであり、知識を切り張りした知恵のない漫談だから、学問の評価を貶めて気づかないために、幾ら大学生が本を読まなくなったとはいえ、低下した学生の知性に変化を及ぼすこともない。 このようなネジの緩んだ日本の現状を前にして、潰れたネジ山を加工して締め直すためには、インテリジェンスに基づく意識改革の導入で、賢者が伝える螺旋のピッチを教わる必要がある。しかも、同じ生命現象に生涯を賭けた学者でも、器質を扱えば「バカの壁」の前に佇むことで終わり、印税長者として浮かれ騒ぐだけだが、場の側面から挑戦し続けた清水博のように、日本には潜む竜人(Adept)は晩節を飾り、柳生石州斎の新陰流の神髄に迫って、対話を含む「生命知としての場の論理」(中公新書)の奥義書を著している」
同じ新書版でも馬鹿ブームを当てにした「バカの壁」シリーズより、「生命知としての場の理論」のほうが比較にならないほど優れていて、百万部の「バカの壁」より一冊の「賢者のネジ」の方が、卓越しているというのは皮肉なことだのに、バカに輪をかけて超バカを論じたというのは、狂っている日本を象徴していると思った。

「脳にある物差し、その限界」 2006-10-18
レビュアー:まんぞう(18人中10人が参考になったと回答)
私は、‘好き嫌い’という単純な物差しでもって物事を、世界を判断していました。いえ、したようで、何にも考えていませんでした。考えていない自分に危機感を覚えずに生きてきました。
自分の物差しの尺が本当はどの程度なのか、知ろうともせずにただ単に、主観でもって振り分けていたことに気づかされました。
考えることを止めてはいけないのですね。微弱でも考えることによって、今現在とは少し違った物の考え方が生まれる、今まで思いもつかなかった世界がある、と言うことですね。(著者の主張と違っているかもしれませんが、現時点での私の感想です)

「養老さんの「バカの壁」克服例」 2006-01-27
レビュアー:Nao13(21人中9人が参考になったと回答)
養老さんの本は「バカの壁」「死の壁」に代表される著作は、いかにもお医者さんの少々小難しい解説本という気がしましたが、この「超バカの壁」は、養老さん曰く『「バカの壁」を超える』という意気込み通り、世の中のさまざまな事象について、養老さんの「バカの壁」の超えた事例を12テーマ取り上げています。例えば、テロ、戦争責任、靖国のような社会的事象から、人間関係、子供、金など身近な問題です。専門的な説明は「バカの壁」「死の壁」に比べればはるかに少なく、非常に読みやすいです。
個人的意見ですが、一番養老さんらしさが現れていたのは4章の「男女の問題」です。冒頭で「女は強い」と言うことを免疫学者の名言から解説したり、染色体から説明したり、と学者養老さんと哲学者養老さんの両面が垣間見える章で、特に好きですね。

「参考にはなる」 2006-01-31
レビュアー:もなりえる(17人中9人が参考になったと回答)
養老氏ができるだけ客観的に物事を論じようとした本。
とは言っても、養老氏の私見に過ぎないが。
昔の若者の方が暴力的だった、少子化は子供の価値が落ちたから、ニートやフリーターは昔からいたなどと前半は切り口が良い。
靖国神社に関しては従来からの参拝賛成派とたいして意見は変わらず新しい切り口が欲しかった。
しかし、憲法九条については「九条を改正せずに後ろめたさを持って戦争をすれば良い」というのはうなずけた。
戦争は必要だが、よくないことなのだから。
終盤に入るとまた養老氏の切り口が鋭くなる。
活字がネットや携帯メールに置き換わっただけで活字文化はある、テレビの影響を調査するときは結論ありきで調べてはいけないなどと客観的である。
全体的には物事を単純化していることが多いし、最後まで読んでそれほど残る物はない。
参考になるだけであって、この本で全てが分かったような気になる人は危険かもしれない。