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とてつもない日本 (新潮新書)
とてつもない日本 (新潮新書)
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新潮社

¥ 714

新書

売上ランク:10143位

2007-06-06

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ユーザーレビュー一覧(全75件 平均:4.0)

評価1点「内容は凡庸、とてつもない危機感の薄さ」 2007-09-01
レビュアー:少子化問題に直面しようとしない日本(99人中18人が参考になったと回答)
サブカルチャー部門での功績は認めるが、自他ともに認める総裁候補の著作としてはポピュリズム(大衆迎合)であろう。現実的かつ力強い経済政策や、国際貢献の具体的なビジョンを求める読者は失望すると思われる。

確かに日本のアニメや漫画は優秀だが、経済波及効果や収益性を確認したのだろうか。その点、アメリカの映画産業やプロスポーツリーグの方が産業としては遥かに優れているのは明白である。また、日本のものづくりや「ノーキ」は確かに素晴らしいが、日本の多くの電機メーカーが内弁慶で利益率が低く、世界市場でのシェアが低いのは周知の事実である。偉大な明治期の先人達は、何よりもまず謙虚であり、諸外国の卓越性から熱心に学ぼうとしていた。当書では、その謙虚の美徳が失われているように見えてならない。

また、「自由と繁栄」構想は明らかに実体的なパワーとインフルエンスに欠けている。外交原理は国家間の利害調整に他ならず、明確な戦略目標と倫理性を持った「民族自決」「欧州共同体」「サスティナビリティ」等の理念の強力さと比較して見劣りするのは否めない(しかも開発独裁型の「不自由でも繁栄している国」がかなり多い)。カザフスタンに期待したいのは理解できるが、「資源ナショナリズム」の前に屈服を余儀なくされるのは目に見えている。軍事力と政治力を強みとする米露、人権概念など歯牙にもかけない中国と比較すると、日本は外交上においてそもそも不利である。

靖国問題は各自の価値観なので別に構わないが、日本の伝統を重んじるのであれば伊勢神宮や出雲大社、熊野神社に参拝すべきではないのか。日本遺族会の集票力が極度に衰える十数年後には、自民党ですら靖国神社に距離をとるようになる可能性がある(票にならないから)。そもそも祀られている一人の松岡洋右は愚かな日独伊三国同盟締結の立役者であり、木村兵太郎は多数の部下を見殺しにして戦地から逃げている。真の「昭和受難者」とは日本国民のことである。

格差問題について、「学歴や経歴は重要ではない」と記されているのは全くその通りで、2世国会議員の多さを見ると、重要なのは「家系や生育環境」であると分かる。政治家・経営者の家に生まれた著者が自ら語っているのだから間違いない。

勇気づけられる本と見るか、至極安直な陶酔と見るかは読者の自由だと考えているが、少しでも政治を理解している有権者は日本新党ブーム(バブル?)を決して忘れていない。もっと説得的な政策論を望みたいところである。
評価4点「「大衆向け」を意識した本の功罪」 2007-10-18
レビュアー:Masashi Yamanaka(22人中18人が参考になったと回答)

 麻生外相(執筆時)の著作。

 友人が読んでいたので、興味を持って手にとってみました。
 このレビューを書いているのは丁度総裁選まであとわずかという時期で、恐らく福田氏だろうという優勢が伝えられる中。出版されたのが、前回の総裁選で二位になった前だったから、総理総裁を狙う政治家が、所信表明をする為に出したものと理解して良いものと思います。

 麻生さんは同時期に『自由と繁栄の弧』という外相としてのスピーチを纏めた本も出しており、主に外交に関する見識はそちらの方を参照したほうが良いでしょう。本書は一般向けとして、総花的でありながら「いかに日本の底力は凄いのか」「現に対外的に評価されている事実」に絞り込んで書かれており、この時期にこうしたテーマの本を出すということは、麻生さんが政治家のリーダーを目指すうえで「希望」に焦点を当てていることが良く分かります。

 二冊を併せて読むと、この「希望」は麻生さんの政治家としての信条に深く結びついていることが感じられます。古びて輝きを失った故郷の炭鉱町。ご自身も経営者として炭鉱を閉め、苦渋の思いをされたこともあったらしい。斜陽産業とされた中、麻生セメントの社長として舵を取り、ついに衆議院選挙に打って出た時のキャッチフレーズは「21世紀の星」でした。

 「麻生のせがれは何を考えているんだ。宙に浮いたことを言っていないで仕事(公共事業)の一つも持ってこい」

 と猛反発にあったらしい。それを述懐しながら、麻生氏は「炭鉱の昔話もいい。過去を知ることも大事でしょう。当面の対策だってしなければならないかもしれない。けれども一番必要なのは、未来の希望を語ることです。未来は変えられるのだから」という趣旨のことを書いています。

 外務大臣として掲げている「価値の外交」にしても、内容をよく読めば、大変な理想家であることが分かります。政治家としては青い、という無責任な批評が聞こえてきそうでもある。けれども(麻生さんがよく読むという「沈黙の艦隊」で日本の竹上首相が吐く台詞を引用するならば)「理想を持たぬものは政治家ではない!」というわけでもあり、こういう政治家が日本にいるのだ、ということにいささか勇気づけられる気がした、というのが正直な感想です。

評価5点「とてつもない日本の底力でアジアの繁栄に貢献しよう」 2007-12-01
レビュアー:ハム太郎(24人中18人が参考になったと回答)
 易な語り口で新書サイズの分量なのでサラッと読めますが、内容はとても充実しています。読後感は、非常に前向きな気持ちで元気が出てきます。
 マスコミが悪いニュースしかながさない昨今の日本ですが、平和で豊かな国であることに加え、最近はソフトパワーでも影響力を及ぼすなど、その底力にもっと自信を持つべきであると述べます。前半は、主として内政関係。高齢化や格差論についても前向きな対処法を示しています。
 後半は靖国問題から始まり、ODAや自衛隊の海外派遣の話など主として外交問題を取り上げています。
 これからはアジアの時代で、日本はアジアのフロントランナーとして公害問題や高齢化問題などの問題解決で貢献することができるし、日本も成長するアジア諸国から恩恵を受けることができる互恵関係を持てる絶好のポジションにあると述べます。アジアの繁栄のために日本ができることが多いことを最後に述べます。
評価5点「次期総理に期待する」 2008-02-06
レビュアー:ぷっちんぷりん55(26人中18人が参考になったと回答)
最近、テレビや新聞を見なくなった人は多いだろう。
私もその一人だ。マスコミの馬鹿さ加減に嫌気が差して
いる人にお勧めの1冊。
右派に属するのだろうが決して排他的ではない。
移民排斥を唱える欧州の極右政治家とは明らかに違う。

民主党の右側を切り崩して前原誠二や純ちゃんと一緒に
新党結成して欲しい。
評価4点「政治家にはポジティブ思考でいて欲しい」 2008-04-08
レビュアー:hassy(21人中16人が参考になったと回答)
麻生太郎は私の地元、福岡が選挙区であり、もっと言えば私自身が生まれ育った筑豊地区が地盤である。そういう意味でも、幼い頃から何となく近いところにいた政治家であったように思う。ぶっきらぼうで、時に失言まで飛び出す言動は一国の首相を目指すなら修正して欲しい点ではあるが、言葉の裏にある本質という面ではそんなに間違ったことを言っているとは思わない。

本書において一貫して語られていることは、「日本は今でも凄い国だし、これからももっと良くなる。だからみんな、胸を張って前を向いていこう!」というメッセージではないか?とかくマスコミや識者と呼ばれる方々は日本に対して否定的な意見を並べたがるが、そんなことをしているからだんだん日本に活気が無くなっていくんだと思う。現状の悪い面を捉えるのはもちろん大切だが、良い面はちゃんと認めて明日への自信に繋げていかないとバランスが取れなくなる。

格差に関する議論もそうで、所得格差や地域格差が増加しているからダメ、というのはいささか短絡的過ぎると思っている。機会の平等は目指すが結果は不平等になる事もあるという著者の意見には、基本的には賛成だと考えている。

ともかく、日本には世界でも稀に見る優れた国民性と豊かな文化がある。それは絶対に無くしてはいけないし、今後も伸ばしていかなければならない。いつまでも下を向いて歩くのではなく、もっと上を見て歩くべき時に来ているのではないか?いたずらにナショナリズムを煽るのではなく、真の意味で成熟した文化を目指す。それこそが、21世紀の日本に課せられた最も大きな使命なのではないだろうか?