ユーザーレビュー一覧(全27件 平均:3.5)

「論旨が一貫せず、頭の悪さを露呈している。」 2008-04-22
レビュアー:つかさ(102人中56人が参考になったと回答)
オタクの世界とは、著者によれば、大変な努力が必要な場所で、
そこには一種の「道」、「作法」ともいうべき、世界がある。
それは、それでよいと思う。
ところが、この世界が相対化され、本来オタクといえないような
人種がこの世界に入り込み、オタクの大衆化(オタクの拡大)が進む
一方、伝統的世界のオタクのカルチャーは失われたとのこと。
オタクが拡大した結果、純なオタクが目立たなくなっただけで、
どうして失われたといえるのでしょう、
著者によれば、純なオタクは気高く、些細なことには動じないだけの
精神を持ち合わせているのだから、今も、生きているのではいか。
結局のところ、著者に気に入らない、新しいマニアが増大し、
そのマニアを対象に評論することで、オタク文化論を論じる輩に、
対する軽蔑のまなざししか、読み取れず。
老人の遠吠えのようで、読んでいてあわれであった。

「老いたるオタクの大陸への賛歌(?)」 2008-04-16
レビュアー:kazoo256(50人中38人が参考になったと回答)
約2年前のイベント「オタク・イズ・デッド」で著者が語った内容を基にした書下ろしです。(その時々で一般的に)「おたく」と呼ばれる(あるいは自認する)人々の姿を描きながら、「おたく」という日本語の「概念」の誕生と変容とその死を紹介しています。
でも、本書で著者が指摘したいのはいわゆる「おたく」の姿ではありません。世間的に「おたく」とみなされる(あるいは「おたくである」と自称する)ような、自己の嗜好に貪欲な人々にすら、著者がこれまでに見た事が無い人が増えていること、それはより多くの(オタクではない)人はそれ以上に変容しているということ、をP170で岩村暢子さんの著著(私もこの本には鳥肌が立ちました)を引用しつつ訴えています。
そのような(とりあえず、著者が語っている対象は日本の)社会に対して、個人としてどう幸せを追及していくのか、が結論となります。
タイトルに「オタク」と入っている時点で間口は狭くなりかねませんが、本書は「世界征服は可能か?」(これは先に書いたイベントの後、約1年前のイベントの内容が基だそうです)「いつまでもデブと思うなよ」に続く、「オタク・イズ・デッド」3部作の完結編ではないでしょうか。推測に過ぎませんが、著者は本当は「オタクは終わった」事が認知されていて欲しかったのかもしれません。しかし、「世界征服は可能か?」のレビューを見ていて「オタクって○○だと思っていたけど××もいるんだ」(ということは、「オタクは終わった」という主張も世間には通じていないのではなかろうか?)と思い、改めて本書を出版する事にしたのかな、等と考えてしまいました。
そして、本書のレビューを誰よりも速く書きたい、と考えた私のような人種も、また死にゆく「おたく」民族なのでしょう。

「SFという先例」 2008-04-17
レビュアー:gg2(44人中27人が参考になったと回答)
本書を面白く読めるか、入りにくく感じるか、試金石になるのは、第6章である。
「SFは死んだ」と題されたこの章を目次で見て、私の場合は、本書を買いだと
思いました。そう、アメリカにおいて50年代を黄金時代としてもち、日本にお
いては創成期の60年代、浸透と拡散の70年代を歴史として持つSFこそが、
オタクを歴史的に捉える絶好の補助線なのです。
この文脈に乗れる人には、わが意を得たりで大変面白い読み物です。
こんな風に80年代を回顧するようになるなんて、あの頃には想像もつきません
でした。
単純に蒙を開かれるのは、第5章「萌えの起源」の『少年マガジンの変遷と
日本人の変化』という記述です。そうですね、きっと外国人目線で日本のキオスク
を見たら、本当に驚くでしょうね。
とにかく第6章には同感でした。星5つ。

「嘆きの元国王」 2008-04-26
レビュアー:ラオ(58人中23人が参考になったと回答)
オタク王国の国民の変化について行けずに王国から去った元国王(オタキング)が
自分の愛した王国は滅んだと嘆いている本。
年寄りが昔は良かったと感傷に浸っているのと何ら変わりはないため
その感傷に共感できない者にとっては白けるだけである。
何年も前に書かれた「オタク学入門」は今読んでも面白いし、
トークショー「遺言」で語っている自身の回顧録も評判は良いようだ。
筆者は、今後またこのような本を書くのであれば、
自分には理解できない現在のオタク関連のことではなく
熟知している過去のことに範囲を絞るべきであろう。

「オタクでない読者はこう読んだ。」 2008-05-29
レビュアー:asianmama(46人中22人が参考になったと回答)
デブでマイナー嗜好による劣等感を、『普通の人』より詳しく勤勉であることで、自分は頭がいいんだ、『普通の人』とは違うんだ、との優越特権意識に変えてきた筆者が、オタクの大衆化により自分の存在意義を脅かされて、日本文化論や社会科学論に強引にすり替えてまで自己の存在意義をアピールし自己満足しようとしている本。
だから他の人も書いてるように論理に一貫性がないし主観的で説得力に欠ける。。
筆者は『普通の人』が彼女とクリスマスをすごすのを軽蔑しているようだが、それも劣等感の裏返しにすぎない。
歳とってからダイエットするくらいなら、20歳のときにダイエットをすればよかったのだ。
それで劣等感を克服できていれば、今更無理矢理の自己正当化をしなくてもすんだはず。
これはオタク論ではなく、岡田氏個人の自己憐敏の本である。