いもづる式 トップに戻る ヘルプ

書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

こまった人 (中公新書)
こまった人 (中公新書)
click for big image

 

中央公論新社

¥ 735

新書

売上ランク:92526位

2005-10

Amazonでの販売状況

→通常24時間以内に発送

amazonで詳細を見る

ユーザーレビュー一覧(全9件 平均:4.0)

評価4点「冷徹なゆるゆるさ」 2005-11-13
レビュアー:冬の暖かな鎌倉の海岸で(13人中10人が参考になったと回答)
雑誌の中央公論の連載をまとめた本。軽妙なエッセイ風の語り口。ちょっとゆるゆるで脱力しすぎてるんじゃないかと思うくらい。
でも、どの文章も底には冷徹で硬質なものが基盤として流れている。何だかんだ言って、養老さんって結構硬派なのだ。そして徹底した理科系人間なのだ。結構ゆるゆるだけど。
ゆるゆるな中に時々ハッとするような文句が出てくる。例えば最後の「言葉と文化」の中で、西欧語の冠詞に該当するものが日本語にもある、それが助詞の「が」と「は」である。なんていうところは目から鱗である。さらに、中国語には冠詞もしくはそれに該当する機能がない、だから中国人は概念と感覚の区別が弱いのかもしれない、と続く。いや、ここまでくると「ほんまかいな?」と疑問も出てくるのだが、中国語については素養がまったくないのでなんともいえない。養老さん自身も本当かどうかは「中国語を学んでみないとわからない」と言う。やれやれ、こういうところがゆるゆるなんだな。
でもおもしろいからいいや。論文じゃないんだし。
評価5点「気楽に読める楽しい本」 2006-05-27
レビュアー:レナード(fourseventy)(10人中10人が参考になったと回答)
中央公論の連載コラム(2003/6-05/10)をまとめた本で、取り上げられているテーマはやや古いです。ただし、同様の本である『まともな人』よりも読みやすいと思いました。この要因は、本書の方が新しいため、(1)読み手が話題となっている出来事を思い出しやすい、(2)書き手も連載を通じてコラム執筆のコツを覚えた−事が背景ではないかと(勝手に)想像しております。
3年も前のコラムを今更読むのは・・・と思われる方もいるやもしれませんが、例えば「イラク派兵問題」は(私のような凡人にとっては)ある程度時間が経った今の方が、氏の指摘の鋭さを実感できるものと思います。
評価4点「解剖学者として」 2005-11-03
レビュアー:tako-cyan(8人中6人が参考になったと回答)
筆者が特定の時事問題や周辺の出来事に対する意見を独特の言い回しで
述べています。’小泉首相への手紙’の章は読み応えがありました。
全体的に、もはや世には絶望しているんだけど、
いや元々望みなんて抱いてはいないんだけど、少しくらい言わせてもらってもかまいませんか?。
そうは言っても、その実すごくこの国の行き先を憂いているんですよ、というスタンスのような気がしました。
元々そうでしたが、最近の養老さんの文章からすごくそれを感じます。
これを読んで、自分はどう考えるか?という風に対話しながら読むといいのでは。
評価4点「ムムッ」 2006-04-12
レビュアー:musikun(3人中2人が参考になったと回答)
中央公論の連載エッセイをまとめたものだそうです。最近著書の数々がなにかと話題で、テレビ番組などでも良く見かけるので、初めて買ってみました。エッセイ集ということでわりとくだけた文体で、テレビで見たイメージどおり世相に対しての持論を辛口で述べる、といったものが多かったです。ただ、もともとの対象がテレビ視聴者ではなく中央公論読者ということで、社会・政治・経済などの結構難しい内容もあり、「バカの壁」にぶちあたったのかとちょっと悲しくなりました。
評価5点「今でも養老氏は戦っている・・・」 2008-05-29
レビュアー:マストロヤンニ(3人中2人が参考になったと回答)
敗戦から50年以上が経過。

当時、小学校2年生だった養老氏であるが、

それ以来、心の底で「敗軍の将、兵を語らず」として

語らずに戦いを継続してきたと述懐する。

敗戦の後に「物づくり」によって世界を向こうに

大成長した、本田、松下、ソニーを語りながら

日本人は「物づくり」が得意だった訳ではなく

「確実なもの」を求める心理、時代の雰囲気が

「物づくり」に向かったと分析します。

本田、松下、ソニーと同じく、養老氏もまた

「確実なもの」を求めて、戦争を継続していたのでした。

このシリーズで展開される時事評の鋭さや、

本職の仕事を続けるエネルギーの源泉を垣間見たような

気がします。