ユーザーレビュー一覧(全73件 平均:4.5)

「日本人として知っておくべき組織論、戦略論」 2005-07-23
レビュアー:かつおどり君(17人中15人が参考になったと回答)
第二次世界大戦における日本軍の6つの作戦の失敗を分析し、その問題点を現代の日本の組織に敷衍した書(作戦の良し悪しを分析したものであり、戦争の善悪を問うたり、戦争開始の原因を究明したりしようとするものではない)。
事例研究、失敗の分析、現在の日本の組織の分析の3章構成。
1章では、ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦の6つの戦いを分析し、日本軍の作戦や組織の問題点をあぶりだしている。
2章では、これらの6つの失敗に共通する要因を戦略目的があいまいであること、理論的にではなく組織内の人間関係や雰囲気によって戦略が策定されていること、失敗から学ばないことなどを挙げている。
3章では、2章で分析した問題点が現在の日本の組織にも継承されていることを述べている。
20年前に執筆された本であるが、組織論、戦略論として現在でもその新鮮味は薄れていない。

「たいへん参考となる本」 2007-08-08
レビュアー:乱読者(18人中15人が参考になったと回答)
日本軍の失敗から見えてくるものは非常に多い。
論功行賞ばかりで、罰のない日本の官僚性
ミスをしても、とがめられることも、出世コースから外れることのないエリート官僚
まさに日本軍の高級将校と同じではないでしょうか。
このような組織、制度が日本をだめにしてきたことに未だ気づかないおろかさ。
わたしたちは戦後、過去の失敗・過ちについてあえてタブー視して、一切の反省を試みなかったことにこそ問題があったのではないでしょうか。
反省させられることの多い本です。

「失敗学の魁」 2007-02-23
レビュアー:なるほど次郎(18人中14人が参考になったと回答)
1984年刊行(文庫版は1991年)にもかかわらず、
その内容は色あせていない。
1.6つの失敗の事例
2.事例を基にした失敗の本質
3.事例を基にした失敗の教訓
という3部構成だが、それぞれ面白い。
環境にあまりに適応しすぎたり、強烈な成功体験が
学習を妨げ、環境変化に対応できなくなる
「イノベーションのジレンマ」と同じものを感じた。

「失敗組織の全貌が見えるよくできた本」 2007-03-15
レビュアー:KYU(19人中13人が参考になったと回答)
戦争お宅の書いた戦争に関する本ではなく、経営学書と位置づけられる本。経営学書の多くは、戦略、組織論、モチベーション論など、企業体の活動の一面に光を当てるものが多いが、組織の特性、人の育成、知識の蓄積という資源を、大戦略、個々の戦略、戦略の論理性にどのように使い、そして、結果から資源を改良して次の戦いにどのように生かすべきなのか、経営学のいろいろな見方で、その関連性を説明します。年功序列型の固定した思想を持つ組織の何がいけないのか、その全体像と、反面教師として、成功する組織とは、どのような好循環を見せるのか、示唆してくれます。

「日本という国、社会の欠陥を理解するうえで素晴らしい事例分析」 2004-06-03
レビュアー:ゲバジジ(15人中12人が参考になったと回答)
最初に読んだ時、私は30代でした。20代だったら、戦史もの?というだけでネガティブ反応して読んでなかったでしょう。「組織論的研究」というサブタイトルにひかれ、読んでみて非常に感銘を受けました。変な思想に毒されないで、客観的に分析しているから説得力があります。ノモンハン、ガダルカナルなど6つの事例を扱っていますが、そこに共通するのは、情報の軽視、意思決定のプロセスのあいまいさ、戦略の不在などほとんど今日の日本社会、日本の組織特性と変わりません。つまり、戦後30年で経済大国と言われるまでになった日本も根っこのところではなにも変わっていない。だから、バブル経済も崩壊したのでしょう。それからの10年は「失われた10年」と言われましたが、その起因するところは、「失敗の本質」と大きな違いはありません。村上龍が「この国にはなんでもあるが、ないのは<希望>だけ」とどこかで書いていましたが、同感です。いまこそ、ビジョンが必要な時でしょう。モデルはもうありません。そんな意味でも、この「失敗の本質」という本は今後とも普遍的な価値をもつ著作と思います。ビジネスマンにとっても参考になるでしょうし、なにより、若い人に是非読んで欲しいと願います。