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失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
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中央公論社

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文庫

売上ランク:1481位

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ユーザーレビュー一覧(全73件 平均:4.5)

評価5点「「青年の議論」の大切さ」 2004-10-23
レビュアー:omr(11人中8人が参考になったと回答)
久しぶりに読み返しましたが、相変わらずの迫力。包括的戦略、それを生み出す組織づくりこそが大切、の視点は色あせることなく、この視点を持ってすれば、身の回りを見渡して問題山積なことに愕然ともしてしまいます。

日本軍のグランドデザインの欠如とそれが構築されなかった要因が種々分析されます。すなわち、①日本軍の戦略構築は主観的な積み上げ方式であり、オペレーショナルなマネージメントや戦術・狭いオプションの選択には長けていたが、創造的な戦略が構築できなかったこと。それは②組織において、過去にとらわれ、視野の狭小化・想像力の貧困化・思考の硬直が支配的だったことが主因。日本軍は「目標と手段の合理的形成・選択」よりメンバーの「間柄」が配慮された組織であった。この精神主義においては③自己を過大評価し、科学的・客観的に見る態度がない為学習が行われず、「自己革新性」を決定的に欠いた④失敗の本質は多様性・自律性・自由闊達性・不均衡状態のマネージを持ち得なかった点にあり、「何を」達成するか・学習するか、という視点を欠き、「いかに」達成するかに終始重点がおかれていた。

「青年の議論」が許されなかったことが決定的であり、統合的価値観・ビジョンの必要性を感じると同時に、組織の自己変革を生む地に足のついた地合いの形成がいかに大事かを強く思い知らされてくれます。

評価5点「日本的組織の特徴がマイナスに働いた象徴的ケース」 2005-01-02
レビュアー:3.14カラットのダイアモンド(12人中8人が参考になったと回答)
■日本は物量の差のみによって大東亜戦争で米国に負けた。
■日本の軍隊は上意下達が徹底されている。

上記のような思い込みをしている人に、本書を読むことをお勧めする。軍隊という規律厳しい組織でも、上意下達のシステムが機能せず部下の主張に異を唱えられない場面が存在し、グランドデザインを描けないために個々の指揮官が思惑が全く違っていて、敗北に繋がってしまうようなケースが数多く存在したのである。

日本的組織の特徴が長所となる場合もあるのだが、それが逆に短所となり、悲惨な結果に繋がってしまったのが大東亜戦争の敗北だろう。先行目標が存在する場合、日本的組織は有効に機能するようであるが、先頭に立ってしまった時に長所が短所になってしまうようである。先行目標が無くなってしまった今、具体的に何をすべきかは本書に書かれていない。

評価4点「現代の組織についても十分通用する分析です」 2005-09-03
レビュアー:jiateng4(11人中8人が参考になったと回答)
この本は、先の大戦で日本が負けた原因を、「組織上の問題」という観点から分析、解説したものです。

これを読むと、
「統一された目的の喪失」
「情報の軽視」
「ダイナミズムに欠ける組織体質」
「自己の既成概念への強力な固執」
などなど、様々な原因が、6つの局地的敗戦を通し浮かび上がってきます。

これらは当然、敗戦の原因となったものですが、実は現代の多くの会社組織における問題点と、多くの点で共通していることがわかります。

自分の会社の業績が伸びていない、と感じている場合、本書を読むと「なるほど」と思うところが多々あるのではないでしょうか。

そういう意味で、単に敗戦の原因を理解するだけでなく、今後にどう生かすか、と言う事も本書から学べ、大変勉強になりました。

評価5点「最高の組織論:日本には「失敗の本質」が普遍に宿る」 2006-09-08
レビュアー:佐々木賢太郎(12人中8人が参考になったと回答)
早速読んでみました。なるほど、「凄い本」でした。日本の企業人には”必読だ”と思いました。
 ところで現在でも「失敗の本質」が蔓延っているのが、日本の社会かもしれません。社会人である方なら「あっ、そうか!」と思い当たられる節が多々ある本です。
 日本の学者が大東亜戦争を「失敗」を切り口に分析したことにも興味が湧きますし、さらに当時の米国の「手口」も理解できて大変面白く、一気読みしてしまう本でした。まだお読みになっておられない方には是非とも早期に読了されることをお薦めします。
評価5点「日本を再生するための教訓」 2001-03-23
レビュアー:nacktack(11人中7人が参考になったと回答)
今、日本は、政治的にも経済的にも社会的にも、これまで作り上げてきたシステムが時代の変化に対応しきれず、大転換を求められている。

この本では、日本軍が戦局の変化や技術の進歩など、数々の状況に変化に対応しきれずに、敗戦という失敗を犯してしまった経緯を、組織論の視点から明らかにしている。

そして、現在、大転換を求められている日本の政府・行政機関や企業組織などに対して、反面教師として多くの教訓を示している。

現代日本がこのまま「敗戦」という状況に陥らないようにするためにも、社会人の方々だけでなく、これからの日本を支える、学生の方にも読んでいただきたい。