ユーザーレビュー一覧(全274件 平均:4.0)

「想像を絶する驚天動地のラスト! 傑作推理小説の醍醐味を堪能」 2006-06-22
レビュアー:小西昌幸(13人中8人が参考になったと回答)
■推理小説には、犯罪者側の視点で描かれた倒叙法という記述方式がある。つまり犯人が作品冒頭から判明しているのである。本作は、その倒叙法によるミステリー。大変な仕掛けが施され、ラスト数十ページで驚天動地の意外な展開が待っている。
■離婚歴のある花岡靖子は、アパートで中学生の娘と二人暮らし。近所の弁当屋に勤めている。隣に住む高校の数学教師・石神は、彼女に密かに思いを寄せていた。彼は毎朝、彼女が勤める店に弁当を買いに行くのを慣わしにしていた。
■ある日、靖子の前夫が金の無心に来る。ダニのようにしつこく絡む男を背後から娘が殴り、靖子はコタツのコードで首を絞め殺してしまう。石神は思いを寄せる人の重大事に気づき、命懸けで救うことを決意。靖子に死体処理を申し出るのである。彼は今でこそしがない数学教師だが、大学時代は天才と呼ばれた優れた頭脳の持ち主だった。
■果たして彼が構築した鉄壁のアリバイの最大核心とは何だったのか? 本書は「文春」「このミス」「本格ミステリ」各ベスト1を総なめにし、直木賞も受賞。東野圭吾絶好調を証明する紛れもない傑作!

「トリックか、人間か。」 2006-07-14
レビュアー:ハンニバル(11人中8人が参考になったと回答)
トリック構成が素晴らしい。
冒頭からラストシーンまで謎解きのヒントが上手く並んでいる。
後半に、それらが一本の糸のようにつながる様は読んでいて爽快だ。
主人公の高校教師(数学者)の人物像の描き方は見事と言う以外にない。
ミステリーとしては秀逸だが、ラストシーンに救いを感じないという読者は多いだろう。
また、主人公の厚みに比べると脇役が少しぼんやりしている感じはある。
また、後半の女子高生の自殺未遂は少し突飛な感じがする。
しかし、本格ミステリーというのは少なからずご都合主義的な面があるもので、過去の名作に比較すると、そういった瑕疵はむしろ少ないのではないかと思う。

「スラスラ読める本」 2006-09-23
レビュアー:panzer2(11人中8人が参考になったと回答)
比較的スラスラと読める。ただずば抜けて面白いというわけではない。本の構成がうまいからだ。
この作品は予め犯人がわかるようになっていて、普通のミステリ小説とはまた違った面白みを持っている。また最後に明らかになるトリックは誰も想像することはできないだろう。
惜しいのが、犯人が行なった献身に相応する動機がないということである。これには疑問が残った方も多いかもしれない。
しかし、私はこの作品が好きである。ここまで書くことができた作者はすばらしい。

「様々な意見はありますが。」 2007-06-10
レビュアー:RITZ(10人中8人が参考になったと回答)
遅ればせながら、ようやく本書を手に取り読み始めたのが昨日。そして今朝には読み終わりました。東野圭吾作品は大好きです。最初に読んだ「放課後」も新鮮だったし、「白夜行」にはぞくぞくさせられました。「探偵ガリレオ」も印象に残る一冊です。
今回登場人物の描き方について数々のレビューが書かれています。確かに現実味のある人間くささのようなものは感じられないのかもしれません。しかし私は、物語の中で生きる湯川教授をはじめとする人物たちに好感を持つことができました。
そして推理小説として読み進めているところに、突然訪れる不意打ちの「愛」に涙が出ました。人が生きるとは?とか、人を殺してはいけないのか?などと難しいことは考えません。読書の喜びを知る一冊。ただそれだけでも十分ではないでしょうか。

「恋愛小説として・・」 2007-07-02
レビュアー:みーぽー(10人中8人が参考になったと回答)
東野作品の恋愛小説のひとつとして読みました。
涙しましたし、トリックも見事だと思います。
こんな流れは誰も考え付かないのではないでしょうか?
人物描写も私には十分伝わりましたし、
男性・女性、両面の心理に共感出来ました。
冷静沈着な主人公の彼女を想う気持ちが
最後には相手に伝わって泣き崩れるくだりに、
これは幸せな結末なのかも知れないと思わされました。
推理小説と言うよりは、恋愛小説・・私はそう思ってます。