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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

容疑者Xの献身
容疑者Xの献身
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文藝春秋

¥ 1,680

単行本

売上ランク:13298位

2005-08-25

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ユーザーレビュー一覧(全274件 平均:4.0)

評価4点「真実の愛とは……」 2008-08-08
レビュアー:孤独な思想家(9人中7人が参考になったと回答)
「真実の愛」とは私欲を排し、愛する者の幸福のみを希求する感情に基づくものとされている。
その意味で捉えるなら、この数学者は「真実の愛」を知っていた。

トリックは見事だが、天才数学者と称されるほどのトリックではない。普通に読み進めていても、8割は予想通りの内容だった。いささか曲解なのかもしれないが、人生で初めて抱いた恋という感情によって彼の能力が制限されていたとさえ思える。

数学者の数に対する愛情は驚異的だ。代数学をやっている友人がいるが、数字に対する彼の態度は、常識的な感覚からいえば異常である。
もしも、そのような数学者の感情が人間に対して向けられたら、どれほど純粋な愛となるのだだろう……
確かに彼に犯したことは社会的には許されざるべき行為だ。しかし、それによって彼の愛が否定されるべきものではない。勘違いしている人が多いが、愛は道徳的なものではない。愛は残酷で反社会的なものにもなりうる。しかしそれでもなお素晴らしいと認めざるを得ない。戦争という残虐な行為が完全に否定されえないのは、大切な者を守るという愛が存在しているからだ。誰かを愛するということは、誰かを不幸にするということ。私達の世界では通常目立たないが、これは厳然たる事実である。
どうしようもなく究極的な状況に陥れば、人はいくらでも残虐になるのではないだろうか?そして、そのことを第三者が糾弾することは、少なくとも愛に支配された当人にとっては、(重い刑罰を受けるとしても)何の意味もないのではないだろうか?

少なくともこの数学者はそうだった。そして、彼の心は純然たる愛で満たされていた。
そういった意味では、本作品は世の中に流布する過度な愛の賛美に対して、疑問を呈しているとも捉えられるかもしれない。もちろん逆の見方も可能だ。
評価5点「この東野圭吾を待っていました。」 2005-09-09
レビュアー:inzapot(9人中6人が参考になったと回答)
昔から東野圭吾の大ファンです。最近は手紙、殺人の門、幻夜、さまよう刃とどれも重いテーマばかりを扱う本でした。手紙では感動したし、さまよう刃では深く少年犯罪について考えました。しかし、東野圭吾的にはイマイチでした。

その点この本は、素晴らしいと思います。数学者ならではの愛情表現というサブテーマはともかくとして、完璧な論理性、奇想天外なトリック、めちゃくちゃ多い伏線、どれも感動しました。

今後もぜひこういう本を書き続けて下さい。

評価5点「愛するって?」 2005-09-09
レビュアー:orenarinomail(9人中6人が参考になったと回答)
人を真に愛するってこんな風に見返りを求めないことなのかもしれない。
本屋でこの作品を見かけた時に買うかどうか迷ったけどホントこの本から与えてもらったものを考えれば1600円なんてはした金。
このレビュ-を見た人は騙されたと思って買っちゃってください。

そして東野作品をよく読む人へ
湯川助教授と草薙刑事の探偵ガリレオシリ-ズを知っていると思うんですがその作品に触れた事がある人にはぜひ読んでみてほしいんです。
きっと湯川という人物がより好きになること請け合いだと。

俺は何も知らず読んでて突然この二人が出てきてホントびっくりしたんですけど今ではこの人たちが出てきて良かったと心から思います。
逆にこの人物達以外には軽々しく真相を暴いてほしくはありません。

個人的にはこの小説を恋愛小説の部類に入れてもいいんじゃないかと思っています。
もちろん推理・サスペンスの部類にも入るだろうけどここまで素晴らしい恋愛を読んだことがないので堂々とそう名乗ってもいいのではと。
こんなことを書いたら安っぽく恋愛小説なんて書くなって東野圭吾ファンから反感買うかもしれないけど。

ラストは人によってハッピ-エンド、バッドエンドどちらというかは意見が分かれると思います。
俺はハッピ-エンドととりましたけど。
とにかくそこら辺は読んでみて確かめてください。  

評価4点「ミステリーの面白さと、愛の切なさと・・・」 2005-10-04
レビュアー:ゆこりん(11人中6人が参考になったと回答)
つきまとう元夫を殺してしまった女性。愛する人を殺人犯にしたくない!
その思いから石神は、彼女を守るためにアリバイ工作をする。
だが、石神の友人で物理学者の湯川は、確実に真実に迫っていった・・・。
おなじみの湯川、草薙シリーズ。

警察の追及をあらかじめ予測して、次々に手段を講じる石神。
完璧なアリバイなど作れるはずがないのに、警察は彼女の犯行当時の
アリバイを崩すことが出来ない。なぜなのだろうという疑問が最後まで
つきまとう。だが、そこには驚くべき真実が隠されていた!
ミステリーの面白さに加え、人は思いを寄せる人のためにここまで
自分を犠牲にできるのか!という切なさも味わえた。最初から最後まで
読み手を掴んで離さない、一気読みの作品だった。

評価5点「『白夜行』を好きなファンの人なら★10かも・・・」 2005-11-01
レビュアー:naonao-703(10人中6人が参考になったと回答)
大学時、数学の天才として名を馳せた男・石神。
運命のいたずらか、ある転機により今は高校の数学教師をしている。
数学に人生を捧げていた男石神が愛した女・花岡靖子。
女手1つで娘と懸命に暮らす靖子が警察から容疑を掛けられる。
石神はどうやって守り抜こうとするのか?
崩れそうで崩れないアリバイ。
読者である私達にも石神が計画したトリックにかけられる。
この本はラストまで読みきることで醍醐味が得られます。
愛した女を人生まで捧げ守ろうとする男。
トリックの解明と、男の愛に満喫して終わる1冊。