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書籍の詳細&ユーザーレビュー一覧

容疑者Xの献身
容疑者Xの献身
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文藝春秋

¥ 1,680

単行本

売上ランク:8985位

2005-08-25

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ユーザーレビュー一覧(全274件 平均:4.0)

評価4点「これは、純愛なのか?」 2006-08-13
レビュアー:itchy1976(9人中6人が参考になったと回答)
本書は、直木賞の受賞作ということで、結構評価が高いとおもいますが、私は普通に面白いとは思いましたが、そんなに評価が高いと言うことに驚いています。私は、本書よりも白夜行のほうが好きですね。

帯に「これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。」とある。私はそのようには理解しなかった。むしろ、ストーカーのように付きまといながら、靖子を見守っているとさえ思える。靖子を見守ることを、「献身」という言葉で表しているんだろう。私なら、石神のような見守られ方ならば「きもい」と思うだろう。

本書の簡単なストーリーを述べる。靖子の元夫富樫を靖子が殺したことを偶然知った数学教師石神がアリバイ工作を考えることで完全犯罪を目指す。ある日、石神の旧友である湯川が完全犯罪に挑むことになる。完全犯罪を崩したキーワードは「思い込みによる盲点を突く」である。

結論を見てみると、やっぱり石神も靖子も同罪だと思う。靖子をかばおうとした石神に深い愛情があったとしても、やっぱり純愛だなあとは思わなかった。石神は、靖子という女性のおかげで生きがいを感じている。それはいいのだが、石神の自分勝手の思い込みに対して石神も靖子も運命共同体になってしまったという感じだ。靖子は、自ら自首をしたほうが、正当防衛が認められて罪が軽くなるんじゃないかな。ものすごく現実主義みたい。
評価4点「いいのかなあ、それで」 2006-08-20
レビュアー:麻冷(9人中6人が参考になったと回答)
論理的に組み立てられた心理小説で力量が充分認められる作品であるけれど、石神はほんとにそれでいいのかなあ、と、読後感が、すっきりしない。事の本質はどこにあるのか、人を愛するということはどういうことなのか、もっと突き詰めてくれれば、登場人物も読者も、もう少し救われるものがあったのではないだろうか
評価4点「直木賞受賞おめでとうございます。」 2006-10-06
レビュアー:かなり悪いオヤジ(10人中6人が参考になったと回答)
文系の作家の本を読むと特定の登場人物に肩入れするあまり会話が冗長になったり、ひょっとして自分のこと書いてるんじゃないのと思うような表現によく出くわします。でも、東野圭吾の作品の登場人物と作家の距離は常に一定。理系作家特有のさめた目で相対化された人物の会話も、効率的というかいたずらに読者を惑わすような無駄な部分というものがあまり見当たりません。一気読みする読者が多いのもうなずける、読み手のことを考えたシンプルかつ丁寧な作風が魅力です。

本作品で激突するのは、ガリレオ探偵シリーズでおなじみの湯川教授と大学時代の同級生・石神。ひそかに好意を寄せる隣人親子が犯した殺人を隠蔽するために、数学の天才・石神が完全無欠なトリックを仕掛ける。担当刑事の草薙から依頼を受け事件に興味をもつ物理学の天才・湯川。まるで数学の難問を解決するように、両天才が殺人事件を読み解く、静かなる攻防が本作品の読みどころとなっています。

文中に無二の親友と説明されているわりには湯川と石神の仲の良さが伝わってこなかったり、どうせ身寄りのない仏なんだからバラバラにして海に捨てるだけでよかたんじゃない、なんて声も聞こえてきそうですが、変な横槍はやめておきましょう。Mixiや携帯メールで友達を作る時代に、ドロドロとした人間関係の説明などおそらく不要なのです。ある意味、文系ミステリー作家・横山秀夫の対極にいるような人なんですよ、東野圭吾は。
評価4点「純愛?」 2006-10-23
レビュアー:活字好き子(14人中6人が参考になったと回答)
読みやすくて、面白くていっきに読んた。しかし、ラストがあまりにも奇想天外すぎて、純愛とは言えないような気がする。純愛なら、あくまでも自分が罪を犯したように装えばそれでよいのではないか。愛する人を守るために、どのようにして自分に疑いを向けさせるかというふうに。ラストが面白いと思う人と、あまりにも創り過ぎと思う人とに別れるだろう。
評価3点「今一歩」 2006-12-04
レビュアー:nico(23人中6人が参考になったと回答)
宮部みゆき「火車」中での登場人物の関西弁の使い方にアドバイスをしていたのが東野圭吾氏であることから、
なんとなく「火車」にヒントを得て書かれたのかな、と勘繰りたくなってしまった。
全く接点のなかった他人の運命を殺人によって弄ぶような点では似通っていると思った。
「火車」で直木賞確実とされた宮部氏が惜しくも逃し、この本で直木賞受賞された点に皮肉を感じたのは当方の穿った見方か。
その後、宮部氏は「理由」で受賞された。勿論、双方とも負けず劣らずの文才の持ち主だと思う。

東野氏の著書を幾つか拝読したが、「白夜行」「赤い指」そしてこの「容疑者Xの献身」も、
いわゆる「動機」がどうも私的には薄いと思われる。
あのような大事をやってのけるそれだけの深い理由がどうも感じられなかった。
「白夜行」「容疑者Xの献身」も、それだけの好意からそこまでするだろうか、
という疑問が沸き起こり、結果辻褄が合わない感が否めない。すっきりしないのである。
いずれもラストまでぐいぐいと引き込まれる疾走感があるだけに、この点が残念でならない。