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容疑者Xの献身
容疑者Xの献身
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文藝春秋

¥ 1,680

単行本

売上ランク:14062位

2005-08-25

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ユーザーレビュー一覧(全274件 平均:4.0)

評価4点「報われなくても尽くす男の愛」 2007-01-14
レビュアー:ぷりうす(9人中6人が参考になったと回答)
「思いこみによる盲点をつく。たとえば幾何の問題に見せかけて、じつは関数の問題である、とか。」
キモ面、堅物の独身数学者は、いかにして隣に住む母子のアリバイを成立させたのか。なぜ彼は、家族でも恋人でもない隣人にそこまでするのか。

東野さんの作品では、『白夜行』を思い出させる作品。報われないと分かっていながら、それを望まず、あくまで一人の女性の幸せのために、嬉々として自らの人生を捧げる男の姿が描かれている。
『白夜行』においては、尽くす相手の女性との因縁が克明に描かれているため、感情移入しやすいが、本作品において、石神氏が「なぜそこまでするのか」という点については、簡単に触れられているだけである。普通に考えれば単に「理解不能」である。しかし、そこまでの背景をあえて語らないことで、彼のそれまでの人生における深い絶望が感じられて逆に切なくなる。女性にモテる要素を全く持ち合わせず、世間から距離を置く天才の苦悩が感じられるのでえある。

殺人のアリバイトリックについては、びっくりするものの、他の評者も指摘のとおり、冷静に考えてみればつっこみどころはたくさんある。ただ、本作品については、トリックの部分よりも、もっと見るべきところがあるのではないか。東野氏は、不器用で華やかでない男の本当の価値を分かっている。

『白夜行』には及ばないものの、十分に感動できる作品。人生において、悩み、深い絶望を味わったことのある人にはなおおすすめ。
評価4点「理系出身でありながら」 2007-01-22
レビュアー:sara(8人中6人が参考になったと回答)
いや、理系出身であるからなのだろうか、まだろっこしい表現がなく
どんどん読ませてくれる。
献身の理由はそれほど納得のいくものではなかったが
(ヘタをすると少し変質者の域になってしまいそうだ)
でも、トリックの素晴らしさには仰天してしまった。
最後に本当に驚かされたストーリーだった。
そして犯人を支えた人間もまた献身だったのだろうか・・・
評価4点「感動はしないけどおもしろかった」 2007-02-25
レビュアー:レモンライム(10人中6人が参考になったと回答)
ええー、日本の警察がこんなに簡単にだまされるか? というツッコミは入りますけど、石神と湯川のやりとりはおもしろかったです。ミスリードのところもおもしろかったです。石神の不器用さがなんとも哀しく、切なくて、よかったです。

東野さんの他の作品を読んでないので、なんとも言えませんが、女性像がイマイチしっくりこない。こういう女の人、いるかなあ? という疑問。ある意味、男性から見た女性に対するファンタジーというイメージがあります。いくら自分のためとはいえ、よく知りもしない男性にここまでされたら、感謝どころか、気持ち悪い、という印象の方が強そうに思うけど。。。

でも、いいと思います。そういうファンタジーがあっても。たぶん、女性作家が男性を描くときもファンタジーが入っていると思うし。異性を生々しく描くって難しいですから、多少の理想やファンタジーがあっても、小説として、物語として、楽しむことができたら、それでオッケーだと思います。だって、小説なんですから。そして、完璧な小説ってないんですから。

物語を作り上げるたいへんさや苦労を考えたら、多少は、ありえない、嘘だ、ファンタジーだ、という部分があっても、読んでいるひとときの時間をたっぷりと楽しませてもらったことに感謝します。
評価5点「ただただ涙」 2007-12-03
レビュアー:くうかい(7人中6人が参考になったと回答)
東野さんの作品は全て読んでいますが、「おもしろい」だけでは言い表せない作品だと思います。推理小説ではなく、限りなく恋愛小説という印象を私個人はうけました。
読み終わった後、胸が苦しくせつなく人を愛する気持に共感して涙がとまりませんでした。
主人は普通に推理小説として受取っていたようですので、人により受取り方は違う…と思いますが、何の見返りも期待せずここまで人を愛することができるのか、なぜそこまでしなくてはいけなかったか、主人公の気持にただただ共感し、涙をながしてしまいました。
東野さんは行間に多くのイメージを盛り込んで文章をつむいでいかれる方です。
それを毎回どれだけ読み込めるか、失礼ですが、凡作と言われる作品でも考えながら読むことが楽しみの一つです。この作品はそれらに加え、人を愛してしまった自分も考えながらじっくり読むことをお勧めします。
ドラマや映画も原作がよいのでもちろん面白い、またはそうなるとは思いますが、やはり活字で自分が受けとるメッセージを楽しんでもらいたいと思います。
評価5点「とにかく読もう!」 2005-09-02
レビュアー:キシテル(6人中5人が参考になったと回答)
純愛うんぬんはともかく,推理小説として最高に面白い。読み出したら止まらないはず。また推理小説でありながら,読み終わっても複雑な余韻が残り,誰かとこの小説について話したくなるでしょう。これを文庫になるまで待つわけにはいきません。やっぱり東野圭吾はすごい。