ユーザーレビュー一覧(全5件 平均:5.0)

「近代稀に見る最高傑作」 2008-05-05
レビュアー:水無月(17人中14人が参考になったと回答)
歴史小説は書かない、と言い切っていた作者が日月山水図屏風にのめり込んだ理由は、書き続けてきた観念小説を捨て、現代のなまっちょろい文壇に投げつけた近代稀に見る最高傑作。

「稀代の傑作」 2008-06-08
レビュアー:諸行無常(12人中10人が参考になったと回答)
後世に残るべき傑作。この作品が何の受賞もしないとしたら,全ての賞に意味は無い。作品に埋め込まれた諸々のことはもちろんであるが,流れるような文体の美しさは他に例を見ない。

「初めて読む特異な文体、そして驚きの展開!」 2008-07-05
レビュアー:三十郎(8人中8人が参考になったと回答)
初めての文体に違和感を覚え、ついていけそうもなく、2,3ページで放り出す、
しかし、なぜかそのままにすることもできず、いつのまにか途中のページから、また読み出
し、一旦読み出すとその面白さをたちまち知り、もはや手放すこともできず、日常の些事に
読書を中断されることに怒りさえ覚える心境になり、何事も手につかず、ひたすら終章まで
読み進むことのほかは望まなくなり、そのくせ終わりが近づくと今までの物語の終焉が来る
ことに寂しさを憶える。
そんな本です。 誰か漫画化してくれないかな。 映画やドラマにはしないで欲しいけど。

「これぞ日本文学の金字塔!!」 2008-08-23
レビュアー:moonzero(4人中4人が参考になったと回答)
とっつきにくい文体ながら、
数ページめくれば物語の中に引きずり込まれ、
気付いてみれば癖になっている、
とにかく力強く、壮絶極まる物語。
長編ながら息つく暇が無く、映画を見ているかの
ような臨場感であっという間に読み切って
しまった。
日本文学とは、かくも美しく繊細で味わい深いことを
再認識した。

「丸山健二の新境地」 2008-10-08
レビュアー:ひまわり(1人中1人が参考になったと回答)
近作はなぜこうも女に気を遣うのか?とらしくないような作品が続いた気がする。もちろんレベルの高さは他の作家を圧倒して余りあるが。
丸山健二が歴史小説というと、古いファンにはこれまたらしくない印象があったが、実在の人物を描くのではなく、作者不詳となっている「日月山水図屏風」の成立を架空の人物・無名丸に託して書き綴ったのが本作。
この作家に特にいえることだと思うが、とにかく陰気臭くない。サッパリした文体はもちろん、青春だのブンガクだのうすっぺらな価値観とは無縁。それでいて底抜けな明るさや希望を感じさせてくれる。ユーモアにも嫌みがなくて素晴らしい。
本作が「千日の瑠璃」同様、丸山健二の代表作となるのは間違いないだろう。
何より楽しんで書いていた様子が読んでいても伝わってくるのだ。
ブンガクよりもマンガの方がはるかにまともな作家を集めている今の現状で、丸山健二の存在は両者にとって刺激となるだろう。
これを漫画化できるとしたら、花輪和一氏しか、今のところは思い付かない。