ユーザーレビュー一覧(全31件 平均:4.5)

「新しい皮袋に詰められた、統計学の啓蒙書!」 2008-01-13
レビュアー:JBHHLW(54人中48人が参考になったと回答)
今流行のデータ・マイニングの話から始まって、サンプル調査の話に進みます。何となく話が時代的に逆行しているような印象がしますが、何となく集積された大量のデータを回帰分析するだけで、何でも分かってしまうと言うのは、今流行のデータ・マイニング神話ですね。
回帰分析によるデータ・マイニングのビジネスへの応用とその効果については、沢山の事例が挙げられていて、目を奪われがちですが、著者は同時にその限界についても語っています。ここから次にサンプル調査の話が始まって、最後に正規分布における標準偏差とベイズ理論の簡単な説明と統計的知識の必要性が述べられています。
本書に出てくる「絶対計算」なんて言う万能の統計的手法がある訳ではありません。ちょっとミスリーディングな言葉ですね。膨大なデータがハンドリング可能になって、統計学のベテラン選手、回帰分析とベイズ理論に出番が回ってきたと言う感じですかね。
邦題の「その数学が戦略を決める」というのもミスリーディングですね。原題を思い切り意訳すると、「データ分析屋、数字で考えることが出来る人が賢い!」みたいなものです。
これを読んで統計学の勉強をやり直そうと思いました。面白い本です。
大型コンピュータがビジネスで使用されだした30〜40年前にもこんな統計学の啓蒙書がありました。当時はギャラップの世論調査が注目されていました。時代は巡っているような気がします。

「統計されるあなたへ」 2007-12-19
レビュアー:至高の豚(55人中40人が参考になったと回答)
ローン会社の新規融資募集方法
DMに微笑む女の子の写真をつけるのは、金利を何%さげることと同じ効果を持つのか
答えは○○.○%
等統計学であらゆる事に探りを入れるオモシロネタ満載。(但し数式はない)
その範囲はワインの質、医療、裁判の判決から、こける映画の予想にまで及ぶのだが、
その背景にあるのは、ここでもコンピューターとインターネットだ。
統計学は、以前からその手法を完全に確立させていたが、経験の長い専門家にはかなわない
という見方が一般的だった。
しかし、コンピューターの情報処理能力の飛躍的発展と、インターネット社会というデータの
巨大な海と出会うことによって、統計学の予測能力は専門家をはるかにに超えてしまった。
(しかもその信頼度は何%と示すことができる!)
今、PCの前に座っているあなたへ、あなたは今、統計されていることにお気づきか?
この本は、統計される世界から統計する世界へあなたを導いてくれるだろう。
しかも、その道中は驚きと笑いに満ち満ちている。
なお、この原著名「SUPER CRUNCHERS」もインターネットを使った
統計的手法で決めたものという。その謎の答えは読んでのお楽しみ。
少しはこの本のおもしろさを紹介できたように思う。

「人間に残された一番重要なことは、頭や直感を使い、仮設を生み出すこと」 2008-03-21
レビュアー:FreshAir(20人中20人が参考になったと回答)
「野球でもデータに基づく分析の方が、専門家の観察眼より優れている」「直感や経験に基づく専門技能がデータ分析に次々負けているのだ」。
なんていう著作なのだろう。そして、大変面白い。回帰分析と一部ニューラルネットワークを用いて、統計分析の凄さを、これでもか、これでもかという程、見せてくれる。ワイン、野球、医療、行政、Amazon、犯罪捜査、映画、教育、銃、バスケットボール、出産。
筆者も語っているように、分析の理論自体は昔からあるものだ。現在の統計分析の浸透をもたらしたのは、テクノロジーの進歩、特にコンピュータのディスク容量の大容量化である。だが、それにしても統計分析の力はこれほど凄いのか、と実感させられる。さらに付け加えるなら、統計分析の力を見せ付けられたときのそれぞれの道のプロフェッショナルたちの人間的な反応も面白い。
「人間に残された一番重要なことは、頭や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/入れるべきでないかを推測することだ」「人間は、何が何を引き起こすかについての仮説を生み出すのにどうしても必要なのだ」「偏りと自信過剰の問題は、予想が複雑になるにつれて一層悪化する」。われわれ人間は、自分達が普段考えているよりも、ずっと偏りの多い存在のようだ。

「数学は無味乾燥じゃないよね」 2007-12-23
レビュアー:kogonil_35(22人中18人が参考になったと回答)
ワインの出来からヒットするシナリオまで、十分にデータがそろっているものなら、
何だって「こうしたら、どうなる」という関連を示して見せましょう。しかも、かな
り高い確度で。
データベース技術とPCの速度が向上したことによって、想像以上に、様々な分野で、
データに裏付けられた検定・評価・企画が進んでいることに、まずは驚き、そしてこれ
からの世の中に少しの希望というか期待を持てます。とりわけ医療の分野と、行政的
な制度評価の分野での期待は、実際わくわくしないではいられないッス。
回帰分析による事象間の関連をここまできっちり出せますよ、というだけじゃなく、
本書はバランスも良いです。
従来的な専門家の反発も取り上げ、それらに反論するだけではなく、従来的な直感的
専門知との共働の方向を模索しています。だけではなく、本書で称揚される統計的手
法に馴染まない分析事例(データが少ないとか、一回帰性の事象とか)や、「絶対計
算」の専門家がミスした例などもさらけ出しています。
そうした分析が社会に蔓延していくことが良いことなのかどうか、にも一歩立ち止まって
自問する段もあり、読者に一方的な感じは与えないかと。
諸々踏まえて、数字が苦手な私でも、今後のあり得る政策評価やなんかのリテラシー
を培うには好適な一冊であろうかと思う次第。
ただし最後の章の標準偏差とベイズ検定のお話は、いかにも「ちょっと触れておきます」
程度のものなので、著者の言うように日常生活でも使えるものにするには、まだ何冊か
読まねばならないか、と。
ただ、この邦題は何だかな〜と思います。

「すばらしい!」 2007-12-17
レビュアー:一読者(14人中10人が参考になったと回答)
データマイニングと言えばウォルマートくらいしか思いつかなかったが、この本で、それ以外の分野でもすさまじい勢いで適用されていることがわかり、大いに興奮させられた。
ハリウッド映画の興行成績は、脚本のある特徴をとりだしてニューラルネットワークにくべるだけで、かなりよく推定できてしまうという話は、にわかには信じがたいが、、
翻訳もとても読みやすい。訳者解説は(山形氏にしては)すこし控え目な気がした。