
「コミュニケーションを学ぶ人にとって現在も有用な本」 2007-04-06
レビュアー:Makoto Ichikawa(0人中0人が参考になったと回答)
本書はMS Windows 95の登場を契機とした急速なインターネット普及前夜の時代における通信を介したコミュニケーションを、筆者の実体験、取材などを中心にまとめたものです。理論書ではなく、WWWを中心としたインターネット利用については時代からその可能性について触れられているに過ぎません。
10章の構成で、1章、2章は、1990年代前半に日本でniftyなどのパソコン通信を利用した人にはおなじみの電子会議システムに関するもの、3章はARPAから始まるインターネットの歴史、4章はBBS、5章はMUD(オンラインゲーム)、6章はIRC(Internet Relay Chat)、7章は日本人とネットの関係、8章はフランス(ミニテル)とCIX(イギリス)の事例紹介、9章はバーチャルコミュニティにおける活動家の事例、10章は電子民主主義に対する批判について記されています。
本書のようにある時代の技術をテーマにしたものは旬があり、その意味では本レビューを書いている2007年、価値が低くみられるかもしれません。しかし、3章はインターネットの歴史を再確認する上で現在でも役に立ちますし、社会科学としてのコミュニケーションという観点から本書を見た場合、インターネットの普及した現在につながるものも多く、その分野を学ぶ人には一読して欲しい本です。